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目次 †
概要 †
スイッチの冗長化構成のためには、ループ構造を作る必要がある。
ループ構造 †
イーサネットでは、まず初めに、
- イーサネット内での通信のためARPコマンドのパケットがブロードキャストされる。
- しかし、ループ構造がある場合、パケット(フレーム)はネットワーク内を無限ループする。
イーサネットのMACフレームにはIPパケットのTTLのようにフレームを廃棄するしくみがない。
そのため,経路がループ構成になっているとフレームが永久に回り続けてしまう。
- これを
- ブロードキャスト ストームと呼び、
- 最終的にはスイッチがハングアップしたりする。
これを、イーサネットのメルトダウンと呼ぶ。
- もっとも簡単なループ構造は、次のような構成で構築できる。
スパニング ツリー †
スイッチの冗長化構成のためにループ構造を作る場合は、
スパニング ツリーなどフレーム制御技術を使用して、イーサネットのメルトダウンを抑止する。
スパニング ツリー アルゴリズムでは、
- 「ルート ブリッジ」の選択
- 「代表ポート」、「ルート ポート」の選択
- ポートのブロック
という手順を踏んで、ループ構造を作っているポートをブロックする。
- スパニング ツリーでは、BPDUフレームを使用して、
ネットワーク内のスイッチ同士でブリッジIDを交換し、
プライオリティの値が一番小さいスイッチをルート ブリッジに選択する。
- 次に、「代表ポート」、「ルート ポート」を選択する。
- 「代表ポート」とは、各セグメントから「ルート ブリッジ」まで一番近道になる(コストが最小になる)ポートであり、
- 「ルート ポート」とは、各スイッチから「ルート ブリッジ」まで一番近道になる(コストが最小になる)ポートである。
- 「代表ポート」、「ルート ポート」を決定したら、残りのポートは「ブロッキング ポート」に設定される。これにより、ループ構造が解消される。
其々の構成例に於けるポートの例 †
- 次に、其々の構成例に於ける
- 「代表ポート」
- 「ルート ポート」
- 「ブロッキング ポート」
を示す。
- 凡例
- RB : ルートブリッジ、
- ◆ : 代表ポート
- ● : ルート ポート
- ? : 未決定のポート
(代表ポートかブロッキング ポートになる)
ループ * 1 構造 †
ループ * 1 構造の「代表ポート」、「ルート ポート」、「ブロッキング ポート」
- 未決定のセグメントの
- 一方が「代表ポート」になり、
- もう一方が「ブロッキング ポート」になる。
- 「代表ポート」は、コストによって、決定される。
ループ * 2 構造 †
ループ * 2 構造の「代表ポート」、「ルート ポート」、「ブロッキング ポート」
- 未決定のセグメントの
- 一方が「代表ポート」になり、
- もう一方が「ブロッキング ポート」になる。
- 「代表ポート」は、コストによって、決定される。
- ループが2つある場合、「ブロッキング ポート」も2つできる。
ループ * 3 構造 †
ループ * 3 構造の「代表ポート」、「ルート ポート」、「ブロッキング ポート」
- 未決定ポートの
- 一方が「代表ポート」や、「ルート ポート」になり、
- もう一方が「ブロッキング ポート」になる。
- これらのポートはコストによって、決定される。
- ループが3つある場合、「ブロッキング ポート」も3つできる。
参照 †
ブリッジID †
2バイトのプライオリティ値とMACアドレスからなる。
プライオリティ値は、ユーザがスイッチに対して指定する。
Tags: :インフラストラクチャ, :通信技術, :信頼性