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目次

概要

NICのオプション設定(通信モード、MACアドレス・IPアドレス.etc)について説明する。

MACアドレスの設定

通常、NICのROMに設定されているものをそのまま使用

  • 通常MACアドレスはNICのROMに設定されているものをそのまま使用する。
    NICのROMに書き込まれているMACアドレスは「ipconfig /all」コマンドを使用して確認できる。

NIC、NICのドライバによっては変更可能。

  • しかし、NIC、NICのドライバによっては、上記の[NICのプロパティ] ダイアログからMACアドレスを変更できるものもある。
  • NLBを使用する場合は、MACアドレスを変更できるNICを実装している必要がある。

IPアドレスの追加

1台のPCの、1枚のNICには、複数のIPアドレスを設定できる。

追加方法

  • 複数のIPアドレスを設定するには、「IPアドレスの静的割り当て」で説明した、
    [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログにて設定する。
  • NICに複数のIPアドレスを設定する手順を以下に示す。
  1. 複数のIPアドレスを設定する場合、DHCPは有効にできないため、
    [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログで、IPアドレスを静的に割り当てる。
  2. [詳細設定]ボタンを押して開かれた[TCP/IP詳細設定]ダイアログの[IP設定]タブの、
    [IPアドレス]グループの[追加]ボタンを押すとIPアドレスの入力ダイアログが表示される。
  3. このIPアドレスの入力ダイアログで、複数のIPアドレスを設定する。

複数のIPアドレスの用例

ファイルプリンタ共有サービス

以下の図は、1台のPCの、1枚のNICに、複数のIPアドレスを設定し、
複数のIPアドレスを使用してPCの「ファイルプリンタ共有サービス」にアクセスした所である。

ファイルプリンタ共有サービスのNICに複数のIPアドレスを設定

1台のPCの、1枚のNICに2つのIPアドレスを設定し、 2つのIPアドレスを使用してアクセスできることを確認できる。

MSCS/WSFCクラスタ

MSCS/WSFCクラスタの

  • 各ノードの物理 IP アドレスと
  • 仮想サーバの仮想 IPアドレスも、

このように、1台のPCの、1枚のNICに、
複数のIPアドレスを設定する方式で実装されている。

仮想化技術とNIC

仮想PC・仮想サーバのNIC

  • 仮想化技術(仮想PC・仮想サーバ)でも、1枚のNICをホストOS、仮想PC・仮想サーバで共有する。
    この場合も、1枚のNICに1つのIPアドレスが付与されるが、仕組みは前述の方式と大きく異なる。
  • 仮想化技術では、
    • 「NDIS中間ドライバ」により、ホストOSのプロトコル ドライバと仮想的なNICに対してプログラム インターフェイスを提供する。
    • これにより、1台のPCの、1枚のNICを仮想的に、2枚のNICに分割している。
      ホストOS、仮想PC・仮想サーバへのイーサネット フレームは、「NDIS中間ドライバ」上でMACアドレス フィルタリングがかけられ、送信先のOSにのみ届けられる。
仮想PC・仮想サーバのNIC

プロミスキャス モード

  • この仕組みは、プロミスキャス モードで動作するパケット キャプチャ ツールなどでも利用されており、
    「NDIS中間ドライバ」を使用して、MACアドレス フィルタリングする位置を変更し、
    パケット キャプチャ ツールのみ、当該ノード向けで無いイーサネット フレームを受信できるようになる。
  • プロミスキャス モードとは、
    NICなどにおいて、自ノード宛てだけではなく、ネットワーク上を流れているすべてのパケットを取り込むという動作モードのこと。
    パケットをキャプチャして解析するパケット キャプチャ ツールなどにおいて利用される。

全二重・半二重の設定

  • TPケーブルを用いたイーサネットには、
    • 通信速度の違いのほかに、
    • 半二重・全二重という通信モードの区別もある。
  • 現在のイーサネットは、
    • TPケーブルなどの全二重通信が可能な媒体と、
      スイッチのMACアドレス フィルタ機能により全二重通信が可能になっている。
    • しかし、接続されているハブが所謂「リピータ ハブ」の場合は、半二重通信しか利用できない。
  • このような通信速度、半二重・全二重混在のイーサネットでは、
    • 接続されたホストやハブの通信モードが異なっていると、データを正しく送受信することができない。
    • このため、ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。

信号の役割

ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。

項番機器信号役割
110BASE-T機器NLP信号通信速度・半二重であることを認識する。
2100BASE-TX機器アイドル信号通信速度を認識する。
3FLPバースト信号全二重か半二重かを認識する。

FLPバースト信号

  • 「オート ネゴシエーション」機能で使用され、半二重・全二重を識別する。
  • 「自動識別モード」の機器同士であれば「FLPバースト信号」により半二重・全二重を識別する。
  • しかし、「全二重固定モード」の機器は「FLPバースト信号」に応答しないため、半二重・全二重を識別できない。
  • 「自動識別モード」の仕様上、半二重・全二重か解からないときは半二重を選択する。
  • このため、「自動識別モード」、「全二重固定モード」が混在する場合、
    半二重・全二重を識別できず(通信モードのアンマッチが起こり)、
    通信速度が遅い、通信に失敗するなどのトラブルが起きる。

NICの通信モードの設定手順

  1. [スタート] → [設定] → [コントロール パネル] → [ネットワーク接続] → [ローカル エリア接続]を選択し、右クリックして表示される[プロパティ]を選択する。
  2. 表示される [ローカル エリア接続のプロパティ]ダイアログの[全般]タブのNICの[構成]ボタンを押すと、[NICのプロパティ] ダイアログが表示される。
  3. ここの[詳細設定]タブで、通信速度、半二重・全二重、自動識別のオプションを設定する。
    この表示のされかた(プロパティ名、値)は、NICのドライバにより異なる。

参考

NICチーミング


Tags: :インフラストラクチャ, :通信技術, :Windows


添付ファイル: fileVNIC.png 857件 [詳細] file2IP_NIC.png 786件 [詳細]

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Last-modified: 2021-03-15 (月) 14:34:39 (1131d)