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目次 †
概要 †
リモートコンピューターでPowerShellのコマンドを実行する方法についてまとめる。
- invoke-command マシン名やSessionを指定 -scriptblock { ・・・コード・・・ }
- invoke-command マシン名やSessionを指定 -filepath ファイルパス
# Sessionを指定すれば処理中のジョブ等に再接続することも可能。
詳細 †
Workgroup編 †
Invoke-Command を使って、リモートでコマンド実行ができます。
- ただし、事前に構成を変更しておく必要があります。
- また、実行する要件によっては追加の構成が必要です。
リモート先でリモートコマンドを呼ばれる準備 (PowerShellを 管理者として実行) †
1. PowerShellリモート処理を有効にする
Enable-PSRemoting
Enable-PSRemoting は、PowerShellを使ってリモートからコマンド実行できるように、以下の様な構成変更をまとめて行います。
- WinRM サービスを起動します。
- WinRM サービスのスタートアップの種類を [自動] に設定します。
- 任意の IP アドレスで要求を受け入れるためのリスナーを作成します。
- WS-Management 通信のファイアウォール例外を有効にします。
- "Microsoft.PowerShell" セッション構成がまだ登録されていない場合は登録します。
- "Microsoft.PowerShell32" セッション構成が 64 ビット コンピューターでまだ登録されていない場合は登録します。
- 登録済みのすべてのセッション構成のセキュリティ記述子から "Deny Everyone" 設定を削除します。
- WinRM サービスを再起動して、変更を有効にします。
解放しすぎる場合は(任意のIPアドレスで..など)、範囲を調整する必要があるか、検討ください。
リモートから実行の可否を制御するには、ユーザーと権限(後述)、または、
ファイルウォール例外("Windows リモート管理 (HTTP 受信)")のスコープ設定で行います。
2. PowerShellリモート処理可能なユーザーと権限の設定
Set-PSSessionConfiguration Microsoft.Powershell -ShowSecurityDescriptorUI
実行すると権限を設定する画面が表示されるので、リモートから指定するユーザーと権限を追加。
(Administratorsメンバー以外のユーザーを使用する場合に必要)
リモートを呼び出す側の準備 (PowerShellを 管理者として実行) †
1. WinRM サービスを開始
Start-Service WinRM
WinRMサービスを開始していなければ実行します。
2. UACのリモート設定
Set-ItemProperty -Path HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
-Name LocalAccountTokenFilterPolicy -Value 1 -Type DWord
(上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
管理者特権を維持するように設定変更します。
これをしないと、下の wsman:localhost\client\trustedhosts の設定が出来ません。
3. 対象のコンピュータを 信頼されたホストの一覧に追加
set-item wsman:localhost\client\trustedhosts -value リモートコンピュータ名
リモートコンピュータ名 が複数ある場合は、"リモートコンピュータ名,リモートコンピュータ名" の様に 文字列にして , で繋ぎます。
依存の設定値に追加する場合は、get-item で値を確認し、 , で連結して設定します。
※ LocalAccountTokenFilterPolicy? と wsman:localhost\client\trustedhosts の関係について。
wsman:localhost\client\trustedhosts を設定するためには、以下の条件があります。
- 管理者実行のコマンドプロンプト(PowerShell) で行う場合は、LocalAccountTokenFilterPolicy? を 1 にする
- ビルトイン Administrator で行う場合は、 LocalAccountTokenFilterPolicy? の変更は不要
- wsman:localhost\client\trustedhosts を設定した後は、LocalAccountTokenFilterPolicy? を 0 に戻しても構いません。
(LocalAccountTokenFilterPolicy? を 0 に戻してもすぐには設定不可能に戻りません。その場合はWinRMサービスを再起動します。)
リモートでコマンドを実行 †
1. Invoke-Command を実行
Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 -Credential (get-credential)
-ScriptBlock { リモートコマンド リモートコマンド引数... }
(上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
(get-credential) によって、ユーザー名を入力する画面が開きます。
-Credential (get-credential) を指定しないと、Invoke-Command を実行しているユーザーで、リモートコンピュータへ接続し、コマンド実行されます。
ユーザー名を入力したくない場合は、 get-credential を先に行って、変数に入れておくか、-Credential を指定しないようにします。
注意事項ほか †
- PowerShellでリモート実行するコマンドから、ファイル共有などのネットワーリソースへアクセスする際は、匿名ユーザーが使われます。
リモートのコマンド実行の中からネットワークリソースへユーザー指定でアクセスする場合は、後述の ダブルホップ編 を参照するか、
sysinternals の psexecツール を検討ください。( psexec は サービス・タスク系のいろいろ も参照ください。)
- Invoke-Command は リモートとの通信用に http や https も使用できます。それらの構成方法、オプションなどは、各コマンドを get-help で確認ください。
- また、リモートとの通信に proxy を使用することもできます。
- 必要であれば netsh コマンドなどで winhttp の proxy を設定する、
通信できない場合に winhttp proxy が原因になっていないか確認ください。
- Credential を指定しない場合は、PowerShellを実行しているアカウントが使われます。
- Get-Credential はパスワード入力のためにポップアップ画面を表示します。
バックグラウンド処理など、画面表示をしたくない場合には、パスワードを事前に暗号化してファイルに保存しておくこともできます。
- パスワードをファイルに保存する方法、ファイルから取り出して Credentialオブジェクトを作成する方法は、下のページを参考ください。
- Invoke-Command -ComputerName? Server1,Server2,... の様に複数のサーバーを記述すると、それらのサーバーに対して同時実行します。
実行結果は、PowerShellのオブジェクトとして、1つの配列に混合されて返ります。~(cmd.exeなどPowerShell でないコマンドを実行した場合は String(文字列) の配列になる。)
オブジェクトにはPSComputerName?プロパティが付加されるので、サーバー別にソートしたり区別したいときはPSComputerName?で判断できます。
同時ではなく、順に実行したい場合は、-ComputerName?に1つつず指定します。
- Invoke-Command については、下の ページも参照ください。
上の Workgroup編では、リモートコマンドの中から、他サーバーのリソースにアクセスすると、匿名ユーザーが使用されますが、
下の手順の様に、ダブルホップを使用することで、-credential で指定するものと同じアカウントで 他サーバーのリソースにアクセスすることができます。
準備 (上の Workgroup編と共通) †
- リモート先でリモートコマンドを呼ばれる準備 (PowerShellを 管理者として実行)
1. Enable-PSRemoting
2. Set-PSSessionConfiguration Microsoft.Powershell -ShowSecurityDescriptorUI
- リモートを呼び出す側の準備 (PowerShellを 管理者として実行)
1. Start-Service WinRM
2. Set-ItemProperty -Path HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
-Name LocalAccountTokenFilterPolicy -Value 1 -Type DWord
(上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
3. set-item wsman:localhost\client\trustedhosts -value リモートコンピュータ名
- リモート先で資格情報を受け取る準備 (PowerShellを 管理者として実行)
1. Enable-WSManCredSSP -Role Server
- リモートを呼び出す側で、資格情報を送信する準備 (PowerShellを 管理者として実行)
2. Enable-WSManCredSSP -Role Client -DelegateComputer リモートコンピュータ名
- リモートを呼び出す側で、資格情報を NTLM 認証で行う様にグループポリシーを設定
3. gpedit.msc コマンド
コンピューターの構成 >> 管理用テンプレート >> システム >> 資格情報の委任
NTLMのみのサーバー認証で新しい資格情報の委任を許可する
(x) 有効
サーバーを一覧に追加: [表示]
wsman/リモートコンピュータ名
ダブルホップを使用した、リモートコマンドの実行 †
リモートでコマンドを実行
4. Invoke-Command に -Authentication CredSSP を付けてを実行
Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 -Credential (get-credential)
-ScriptBlock { cmd.exe /c "dir \\リソースサーバー\ファイル共有" } -Authentication CredSSP
(上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。 -ScriptBlock { ... } の中は例です。)
注意事項ほか †
'-credential で指定する ユーザー について
-credential で指定する ユーザーおよびパスワード は、リモートコンピュータ名 と リソースサーバー の両方に共通なものを作成しておきます。
上の例で \\リソースサーバー\ファイル共有 の共有フォルダは、指定する ユーザー で参照権限を設定しておきます。
リモートコンピュータ上のユーザーは、Administrators でなくてもかまいません。リモートコマンドの内容に応じて 権限を付加してください。
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