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目次 †
基本情報 †
Windows Serverで学ぶサーバOS入門
第22回 分散ファイルシステムを理解しよう DFSでファイルサーバの弱点を克服
http://ascii.jp/elem/000/000/529/529773/
以下、上記ページの引用です。
- ファイル共有の欠点とDFSの強化
- 広く使われているファイル共有だが、利用する環境が拡がってくると、次のような欠点が見えてきた。それは、「複数のファイルサーバがある場合に検索が面倒」、「遠隔地から低速回線経由でアクセスする場合に反応が遅い」という2点である。この問題を解決すべくWindowsに追加されていったのが「分散ファイルシステム(DFS:Distributed File System)」である。
- まずWindows NT 4.0では、検索の問題を解決するため、オプションとして「分散ファイルシステム」が追加された。分散ファイルシステムとは、1台のファイルサーバの特定の共有フォルダを「DFSルート」として構成し、ほかのファイルサーバの共有フォルダをDFSルートのサブフォルダとして構成する機能である(DFSのフォルダの実体はファイルサーバの共有フォルダ)。これにより、複数のファイルサーバを1つのフォルダツリーに統合できる。すべてのファイルサーバをDFSルートのサブフォルダとして構成することで、ユーザーはDFSルートの名前さえ覚えておけば階層をたどって目的の場所にたどり着くことができるようになった。
ドメイン・ベースのDFSルートを利用する - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/779domdfs/domdfs.html
DFSで共有フォルダを設定する場合、DFSルートとして、「スタンドアロンのDFSルート」と「ドメイン・ベースのDFSルート」の2種類が選択できる。前者の場合は、クライアントからは「\\サーバ名\DFS名」として参照できるが、後者の場合は「\\ドメイン名\DFS名」として参照できる。スタンドアロンのDFSルートはドメイン環境で利用してもよいが、ドメインで運用しているなら、ドメイン・ベースのDFSルートを利用するのがよい。特定のサーバ名ではなく、ドメイン名さえ分かっていればアクセスできるため、システム構成の変更などに対処しやすくなるからだ。本TIPSでは、ドメイン・ベースのDFSルートの作成方法について解説する。
- 続いてWindows 2000からは、DFSルートの指定にDFSサーバではなくドメイン名が使えるようになった。新しいDFSを「ドメインDFS」と呼ぶ。ただし、従来のDFSも互換性のために残されており、これを「スタンドアロンDFS」と呼ぶ。ドメインDFSが提供する機能は「サーバ名の仮想化」である。ユーザーは具体的なサーバ名を知らなくても、ドメイン名だけで共有にアクセスできる。
- また、ドメインDFSにフォールトトレラント機能が追加され、DFSルートやサブフォルダにその複製を保持するサーバを追加できるようになった。クライアントはActive Directoryのサイト情報を使うことで、最寄りのサーバを優先的に使用する。ただし優先的に使っているサーバが停止した場合は、ほかのサーバに自動的に接続を切り替える。「サーバ位置の仮想化」と呼んでもよいだろう。
- 低速回線への対応
- ところが、Windows 2000のDFSにも欠点があった。低速回線での複製に時間がかかったり失敗することがあるのだ。Windows 2000のDFSはファイルの複製に「FRS(ファイル複製サービス)」を使う。FRSは、Windows Server 2003以前のActive Directoryでグループポリシーファイルを複製するためにも使われている機能だが、ファイル単位で複製を行なうため巨大なファイルの転送は不得手というわけだ。
- そこでWindows Server 2003 R2では、この問題を解決するためにDFSを全面的に見直した。そして、フォルダの仮想的な階層を実現していた従来のDFSを「DFS名前空間(DFS-N)」として再実装した(。「名前空間サーバ」と呼ばれる特別なサーバに「名前空間ルート」と呼ばれる名前空間の起点(開始ポイント)を作成し、その配下に複数のサーバに散在している共有フォルダをリンクさせる)。DFS-Nを保持するサーバを「名前空間サーバ」と呼ぶ。また、ファイル複製の機能はFRSに全面的に頼っていたが、これを「DFSレプリケーション(DFS-R)」として再設計した(図1-③)。Windows Server 2003 R2以降のDFSとは、このDFS-NとDFS-Rの総称である。
- Windows 2000の管理ツールでは「分散ファイルシステム」、Windows Server 2003 R2以降は「DFS」と呼ぶが、正式名称と略称の違いだけで実際の名前は変わっていない。クライアントからのアクセスも同じSMBを使う。しかし、両DFSの内部的な動作はまったく違うので注意してほしい。本連載では今後、「DFS」はWindows Server 2003 R2以降の新しいDFSのみを指すこととする。
強化された分散ファイル・システムDFS - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/special/2003r2_03/2003r2_03_01.html
Windows Server 2003 R2における、DFS関連の主な改良点
主な改良点 | 説明 |
ターゲットの優先順位 | クライアントが名前空間にアクセスした場合に、どのターゲットを優先するかを設定できる |
クライアントのフェイルバック | DFSサーバが障害を起こしてその後復旧した場合、フェイルバックして元の(優先度の高い)ターゲットへ自動的に接続回復する機能 |
委任機能 | 名前空間内のフォルダやターゲットの管理を委任する機能 |
名前空間の再構築 | 名前空間内のフォルダの名前変更や移動が可能 |
マルチマスタ複製 | あるメンバ・サーバ上で生じた変更は、ほかのサーバへ確実に複製される |
ファイルの確実な複製 | ファイルの複製は、ファイルが閉じられてから実行される(オープン中のファイルは複製されない) |
部分的な複製 | ファイルの複製はファイル単位ではなく、ブロック単位で行われるので複製トラフィックが抑制される |
ファイル競合の解消 | 複数のターゲット・サーバ上で同時に変更された場合は、内容の競合なら最後の更新データが優先され、名前の競合なら最初の更新が優先される |
ステージング・フォルダ | 削除されたファイルや競合で不採用になった更新、更新待ちのデータなどはステージング・フォルダに一時的に保存され、処理される |
障害からの自動回復 | 障害からの回復後、自動的に回復処理(再試行)が行われる |
- 分散ファイルシステムの構成
- DFS役割サービスの追加
- DFS追加用のウィザードの起動
- DFS名前空間の名前
- ドメインDFSかスタンドアロンDFSかを選択
- DFSルートのターゲットを確認
- DFS名前空間の構成
- DFS管理ツールでDFSルートを右クリックし、「新しいフォルダ」を選択
- 「名前」に共有フォルダ名を追加し(ここではPUBLIC)、フォルダターゲットを追加
- 「フォルダターゲットを追加」ダイアログで共有を追加
- サーバとフォルダターゲットの追加
DFSでは、1つのターゲットに対して複数のサーバを指定できる。
特にドメイン・ベースのDFSルートを構成するサーバは2台以上のサーバを指定する。
(スタンドアロンのDFSルートはMSFCで構成されたサーバを使用する)。
- DFSレプリケーションの構成
- 設定の確認
- プライマリメンバを指定
- 複製トポロジの選択
- 複製帯域や時間制限を指定
- パラメータを確認
- DFS(分散ファイルシステム)の実力
- 圧縮をしてからレプリケートするためXCOPYで複製するよりトラフィックが抑えられる。
- RDC(Remote Differential Compression)と呼ばれる圧縮アルゴリズムにより、ファイル全体ではなく、変更されたブロックのみをレプリケートできる。
- ハッシュ値が同じであればファイル情報だけ送るためトラフィックが抑えられる。
- DFSの利用
- このように、高速で堅牢なファイル複製が可能なDFSだが、欠点もある。それは、ファイルの排他制御が事実上行なわれていないことだ。そのため、複数のサーバで同時にファイルを編集した場合は、最後に保存したファイルが複製される。競合を起こしたファイルは、隠しフォルダに格納されるため、手動で取り出すことは可能だ。しかし、部分的に異なる2つのファイルを統合するのは至難の業だ。あまり当てにしないほうがよいだろう。
- DFSが力を発揮するのは「ブランチオフィス(地方拠点)」だ。地方には地方独自の営業施策があるだろう。そのために、さまざまな文書をファイルサーバに保存する。しかし、地方拠点にはシステム管理者がいないことが多く、バックアップ体制も弱い。そこで、DFSを構成してブランチオフィスのファイルを本社に自動複製し、本社でバックアップしてもらうのだ。この場合、本社でブランチオフィスの文書を編集することはないだろう。逆に、本社で作成した文書の参照にDFSを利用してもよい。こちらは逆にブランチオフィスで本社の文書を編集することはない。こうしたことからDFSは、十分な管理体制を維持できない地方拠点に最適なファイルサーバソリューションといえるだろう。
注意点 †
簡潔に言って、「更新が頻繁に起こる」&「双方向にレプリケートされる」データは、そもそもDFSにミスマッチの様です。
故に、フォルダ リダイレクション、移動ユーザ プロファイルをDFSと組み合わせて使用する際は注意が必要になります。
(ブランチオフィスでの文書編集も、他のブランチオフィスや、本社との文書編集と競合が多発する場合は、
ステージング・フォルダから取り出し&マージが必要になるため同様に注意が必要になります)
マイクロソフトのサポート ポリシーのDFS-r および DFS-n の展開シナリオについての情報
http://support.microsoft.com/kb/2533009/ja
フォルダ リダイレクション、移動ユーザ プロファイルをDFSと組み合わせて使用することは
上記の「KB2533009」でサポートされないと言われています。
以下は元情報となる
Ask the Directory Services Team - Site Home - TechNet? Blogs
Microsoft’s Support Statement Around Replicated User Profile Data
マイクロソフトの移動ユーザ プロファイル データ周辺のサポート状況
http://blogs.technet.com/b/askds/archive/2010/09/01/microsoft-s-support-statement-around-replicated-user-profile-data.aspx
の「サポートされるシナリオ部分」を翻訳したものです。
その他、参考情報 †
- [特集] Windows Server 2003 R2レビュー
- ファイルサーバの極意 > Windows Server 2008で作る!
第2回 DFSによるファイルサーバ可用性の向上 Think IT