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目次

概要

「ディレクトリ」という単語には「人名簿」・「住所録」という意味がある。つまりディレクトリ サービスとは、「人名簿」・「住所録」などを基に案内をしてくれるサービスのことである。コンピュータ ネットワークにおけるディレクトリ サービスとは、ネットワーク上に存在するさまざまな資源(リソース)や情報をまとめ、管理・検索するためのサービスのことを指す。

ネットワーク サービスの多様化にともない、最適なネットワーク サービスの選択を支援するメカニズム、通信相手を容易に指定するためのメカニズムが求められるようになった。そこで、通信相手に関する情報をデータベースに格納し、必要なときに検索できるようにする通信支援サービスがディレクトリ サービスである。

ディレクトリ サービスは、CCITT(International Telegraph and Telephone Consultative Committee:国際電信電話諮問委員会、現在のITU-T)とISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)によりX.500シリーズとして標準化されている。

※ ただし、X.500の構造が非常に複雑で扱い難いため、完全に準拠しているディレクトリ サービスはほとんど無い。そのため、多くのディレクトリ サービスは、X.500を簡素化したものを採用している。例えば、現在、IP電話が実用化されつつあり、このとき、最適なITG(インターネットと電話網のゲートウエイ)を見つめるために、DAPなどを使用してディレクトリ サービスにアクセスする。その他、DNSサービスもディレクトリ サービスの一種といえる(次節参照)。

大域的なディレクトリ サービス

ディレクトリ サービスの提供方法には色々な種類がある。ローカルに限ってサービスを提供する場合もあるが、大域的にサービスを提供する場合もある。X.500準拠のディレクトリ サービスは、大域的にサービスを提供するための分散型ディレクトリの機能を実装している。クライアントからは、どのディレクトリ・サーバに接続してもディレクトリは同じように見える。あるディレクトリ・サーバに提示した名前は別のディレクトリ・サーバでも同じエントリを参照する。これは、大域的ディレクトリ サービスの重要な特性である。大域的なサービスを提供する場合には、大抵、X.500の分散型ディレクトリの機能が用いられる。分散型ディレクトリの機能には、稼働率と信頼性を向上、かつレスポンスタイムを減らすために、情報を広く複製し、一時的な不整合が発生しないように、定期的に同期をとる機能などがある。通信支援サービスやDNSサービスが分散型のディレクトリ サービスとして有名である。また、LDAPサーバの中にも、大域的ディレクトリ サービスの機能を実装したものがある。


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