Open棟梁Project - マイクロソフト系技術情報 Wiki * 目次 [#za58927a] #contents *概要 [#cd79a854] 仮想化・クラウドの流れの中で少々古くなっていますが、バックアップ技術の基礎知識です。 *バックアップ・システム [#jc308ff9] 「システム状態データ」や「業務データ」を、~ 障害発生に備えてバックアップすることは 「信頼性」の高いシステムを構築する上で重要である。 これは、場合によっては、障害発生後のシステムの復旧方法が、 -バックアップ・データをリストアする。 -システムをゼロから構築し直す。 といった対応だけに限定される可能性があるためである。 このような障害が発生した場合、 少なくとも、 -「システム状態データ」 -「業務データ」 のバックアップがないと、 システムを完全に復旧できないことになる。 また、復旧作業を迅速に遂行する手順が整備されていないと、~ 基幹サービスが長期間利用できなくなる可能性がある。 「可用性」を向上させるためには、 -「バックアップ・システムの構築」 -~「バックアップ~リストア・タスクの設計」 -~「バックアップ~リストア手順の整備」 が重要である。 このページでは、 -バックアップ・システムの構築 -バックアップ・タスクの設計 に必要な基礎知識として、 -バックアップ・システムの構築のポイント -現在利用できるバックアップ・メディア、デバイスの規格やスペック -バックアップ方式、メディア・ローテーション -バックアップ・ソフトウェア -その他、バックアップ技術 について説明する。 *構築ポイント [#ma7ccf3b] バックアップ・システムの構築のポイントとなる項目を列挙する。 **バックアップ対象 [#mdc8874b] 「システム状態データ」や「業務データ」など、バックアップ対象のデータを選定する。~ 一般的に、PC上の個人用ワーク・ファイルなどのローカル・データは、バックアップの対象にならないことが多い。 **バックアップ対象のデータ量 [#qb039434] バックアップ対象のデータの容量について、~ 「容量の現状の把握」と、「容量増加の予測」をする。~ その後、バックアップ・メディア、デバイスを検討する。 **バックアップ処理に使用できる時間 [#u25297c9] バックアップ処理に使用できる時間が限られる場合、~ バックアップ処理にかかる時間を短縮する必要がある。 バックアップ処理の時間を短縮するには、内蔵ドライブの種類を検討する。 **対象となるデータの種類 [#l25519f7] 例えば、ミッション・クリティカル(24時間365日、稼動することを要求される)なシステムの、~ DBのデータ・ファイルなどは、常時アクセスされているためファイルのコピーができないなどの問題がある。~ バックアップ対象となるデータの種類によって特別な対策が必要ないか、事前に確認する必要がある。 **「メディア・ローテーション」による「世代管理」 [#u5d7ae34] ***世代管理 [#tb29ec7b] -バックアップの「世代数」とは、一時的に保持する、異なる世代の「完全バックアップ」の数である。 -「完全バックアップ」は「世代の保護」のために、他の世代と重複しないメディアに保存するのが一般的である。 「メディア・ローテーション」の検討は、 -「世代数」 -「世代の保護」 -「保存期間」 を考慮した「世代管理」をするために必要である。 ***メディア・ローテーション [#j1040e79] 「メディア・ローテーション」に適したバックアップ・メディアは、~ メディアのコスト、容量、性質から、「テープ・メディア」になる。 また、「オート・ローダ」や「ライブラリ」など~ 複数巻の「テープ・メディア」を収容できるデバイスを使用すれば、~ 「メディア・ローテーション」の自動化が可能である。 ***バックアップ・タスクの設計 [#a2358b21] -「世代管理」、「メディア・ローテーション」や、 -バックアップ方式(「完全バックアップ」・「差分バックアップ」・「増分バックアップ」) を考慮し、適切なバックアップ・タスクを設計する。 ***バックアップ・サーバの台数 [#k065b80c] バックアップ・サーバの台数は、~ バックアップ・ソフトウェアのライセンス、バックアップ・デバイスのコストに影響する。 バックアップの対象となるクライアント機、サーバ機のデータ量を検討し、~ ネットワーク経由でのバックアップが行えるようであれば、~ バックアップ・サーバを統合することで、「導入コスト」と「管理コスト」を抑えることが可能である。 ***バックアップ・ソフトウェアの機能 [#zb8e16a1] バックアップ・サーバとバックアップ・ソフトウェアを導入し、バックアップ・システムを構築する場合、~ バックアップ・ソフトウェアが、採用するバックアップ・デバイス、OS、アプリケーションに対応できるかどうかを確認する。 複数のOS、アプリケーションにも対応できるバックアップ・ソフトウェアを使用したバックアップ・システムは、マルチプラットフォーム環境の統合「バックアップ・ソリューション」と呼ばれる。 一般的に、バックアップ対象のOSやアプリケーション毎にオプションを購入する形になっている。バックアップ・ソフトウェアによるが、バックアップ・クライアント毎に、「クライアント・エージェント」、「アプリケーション・プラグイン・モジュール」などと呼ばれる機能をインストールする必要がある。 図3 マルチプラットフォーム環境の統合「バックアップ・ソリューション」 ● 「ディザスタ・リカバリ」への対応 単に「ディザスタ・リカバリ」と言うとリモート・サイトへのデータ同期を示すこともあるが、バックアップ・ソフトウェアで言う「ディサスタ・リカバリ」とは、システム・ディスクの障害時にOSやアプリケーションの再導入を実施せずにリカバリ可能な、バックアップ・ソフトウェアの専用オプションを示すケースが多い。 費用対効果になるが、迅速に復旧しないと影響が大きいものについては、「ディサスタ・リカバリ」機能の導入を考慮する。