「[[マイクロソフト系技術情報 Wiki>http://techinfoofmicrosofttech.osscons.jp/]]」は、「[[Open棟梁Project>https://github.com/OpenTouryoProject/]]」,「[[OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会>https://www.osscons.jp/dotNetDevelopmentInfrastructure/]]」によって運営されています。

* 目次 [#k7393046]
#contents

*概要 [#j3903cec]
**正規表現とは、 [#o987188c]
正規表現(regular expression)

-「文字列の集合」を「文字列の特徴 / パターンを表現する文字列」で表現する方法の一つであり、
-正規表現によるパターン マッチを行なうことで、各種文字列処理(検索、置換)を行なうときに利用する非手続き言語。

**用途 [#q8bdf40b]
正規表現のパターン マッチを使用すれば、例えば、次のような処理に利用可能である。

+文字列の「特徴」(パターン)に一致するか検証する。
--用途:入力チェックなどに使用可能 
--API:Regex.IsMatch() メソッドを使用する(型.Parse( ) メソッドの強化版)。
+文字列の「特徴」(パターン)に一致する部分文字列を抜き出す。
--用途:全文検索処理などに使用可能 
--API:Regex.Matchs() メソッドを使用する(String.IndexOf( ) メソッドの強化版)。
+文字列の「特徴」(パターン)に一致する部分文字列を置換する。
--用途:置換(付加、削除、書式変更など)に使用可能 
--API:Regex.Replace() メソッドを使用する(String.Replace( ) メソッドの強化版)。
+文字列の「特徴」(パターン)に一致する文字列で文字列分割する。
--用途:文字列分割処理に使用可能 
--API:Regex.Split() メソッドを使用する(String.Split( ) メソッドの強化版)。
+.etc

**ライブラリ [#c5e3b59b]
現在では、Perl、PHP、Java、JavaScript、.NET、Python、Rubyなど、~
広く様々なランタイムに実装されており、テキスト エディタ、ワード プロセッサをはじめとする、~
アプリケーション ソフトの検索・置換機能などで利用することもできるようになっている。

**方言 [#be2b1035]
ただし、ソフトウェアによって「方言」や利用できない機能があるため、注意が必要である。
-言語やアプリケーションで細部の仕様が異なっているが、POSIXにより標準規格も定められそれに準拠するものも増えてきている。
-.NETの正規表現は、Perl5の正規表現に対応するようにデザインされている。
-また、後述のオプションを指定することによってECMAScript(JavaScript等)と同様の正規表現に対応するように動作を変更できる。

*正規表現の書き方 [#n9655e29]
正規表現は、
-通常の文字と、
-「メタ文字」
-「エスケープ文字」

組み合わせて表記される。

正規表現の書き方を習得するには、これらの要素を覚える必要がある。

**メタ文字 [#p7d325cd]
特別な意味を持った記号。

***区分 [#mf2da4d7]
-角括弧(文字グループ)
-丸括弧(各構成体)

-キャプチャの利用
--[[前後方参照>#s8e591e9]]
--[[文字列置換>#r4700117]]

-最短 / 最長マッチ

***動作 [#d3fb549f]
また、実際にどのように動作するかは、
--後述の「オプション」で説明するAPIオプションを理解する必要がある。
--(オプションの指定によって、上記要素の意味が変更されることがあるため)

***一覧 [#i1357d54]
以下が、.NET Frameworkの正規表現で使用できるメタ文字。

|項番|区分|メタ文字|説明 / 注釈|h
|1|>|位置指定子|「 ^ 」、「 $ 」の両方を指定することで全文のマッチを強制できる。&br;エスケープ文字に含まれる位置指定子もある。|
|1-1||^|文字列の先頭を表す(中間からのマッチを拒否)&br;※ 正規表現、部分式の先頭のものしかメタ文字として認識されない。|
|1-2||$|文字列の末尾を表す(中間からのマッチを拒否)&br;※正規表現、部分式の終端のものしかメタ文字として認識されない。|
|2|>|代替構成体|詳細はxxx節を参照|
|2-1||||「|」 で区切られた文字列のいずれか。&br;通常、丸括弧と併用するが、単独で利用することも可能。|
|3|>|量指定子|正規表現での量指定子&br;http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/3206d374.aspx|
|3-1||*|前の文字列が 0 回以上連続にマッチする( = {0,})。|
|3-2||+|前の文字列が 1 回以上連続にマッチする( = {1,})。|
|3-3||?|前の文字列が 0 or 1 回マッチする( = {0,1})。|
|3-4||{n}|前の文字列がn回連続にマッチする。|
|3-5||{n,}|前の文字列がn回以上連続にマッチする。|
|3-6||{n, m}|前の文字列がn-m回連続にマッチする。|
|3-7||*? ,etc.|*、+、?、{ } の後に「 ? 」をつけて「最短マッチ」(詳細はxxx節を参照)を表す。|
|4|>|文字クラス|正規表現での文字クラス&br;http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/20bw873z.aspx|
|4-1||. (ピリオド)|改行(\n)以外の任意の1文字|
|4-2||[ ] (各括弧)|下記、5-1項に該当|
|4-3||\s|スペースやタブなどの空白文字|
|4-4||\S|\S以外([^\s]と同義)|
|4-5||\d|10進数([0-9]と同義)|
|4-6||\D|\d以外([^\d]と同義)|
|4-7||\w|単語に使用される任意の文字&br;([\p{Ll}\p{Lu}\p{Lt}\p{Lo}\p{Nd}\p{Pc}\p{Lm}]と同義)|
|4-8||\W|\w以外([^\w]と同義)|
|5|>|括弧||
|5-1||[ ] 角括弧&br;詳細は「[[角括弧による文字グループ>#ue25e11a]]」を参照。|下記の角括弧内に指定した文字にマッチする。&br;・文字範囲(Unicodeの文字コード表)、&br;・文字グループ&br;以下は、角括弧内でのみ使われる特殊なメタ文字である。&br;・「 - 」:範囲指定 、例えば[a-z]で半角英小文字の文字グループを表す。&br;・「 ^ 」:先頭で使われたとき、「含まれない」と条件を反転する。|
|5-1||( ) 丸括弧&br;詳細はxxx節を参照|丸括弧内に指定した文字、文字範囲、文字グループに完全にマッチする。&br;グループ化構成体、代替構成体、その他の構成体を構成する。|
|6|>|日本語文字クラス(\p{xxxx})|.NET TIPS 文字列のひらがな/カタカナをチェックするには? - C# - @IT&br;http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/dotnettips/054iskana/iskana.html|
|6-1||\p{IsHiragana}|平仮名|
|6-2||\p{IsKatakana}|片仮名|
|6-3||\p{IsCJKUnifiedIdeographs}|漢字|
|6-4||P{xxxx}|p{xxxx}以外|

**エスケープ文字 [#ec021b89]
エスケープ文字 には次のようなものがある。

|項番|区分|文字のエスケープ|説明 / 注釈|h
|1|>|位置指定子||
|1-1||\b|ワードの境界(\w文字と\W文字の間)。&br;例えば「\bVB\b」で単語としての「VB」となる。&br;規定では日本語と英語の境界は「\b」に含まれない。&br;従って、「\bVB\b」という正規表現で、&br;「これは、VBです」という文字列中のVBを検索できない。&br;ただし、これについては、ECMAScriptオプションで動作を変更できる。&br;角括弧の中にある場合、置換パターンの場合は、下記、xxx項を参照。|
|1-2||\B|\b以外|
|1-3||\A|MultiLineオプションを無視した文字列の先頭|
|1-4||\z|MultiLineオプションを無視した文字列の末尾|
|1-5||\Z|MultiLineオプションを無視した文字列の末尾(または文字列の末尾の「\n」の前) |
|1-6||\G|前回の一致が終了した位置で一致する必要があることを指定する。|
|2|>|メタ文字のエスケープ|単純に、前に¥記号を付与する。|
|2-1||\.|.|
|2-2||\^|^|
|2-3||\$|$|
|2-4||\*|*|
|2-5||\+|+|
|2-6||\?|?|
|2-7||\[|[|
|2-8||\]|]|
|2-9||\(|(|
|2-10||\||||
|2-11||\)|)|
|2-12||\{|{|
|2-13||\}|}|
|2-14||\\|\|
|3|>|制御文字|各種 制御文字を正規表現中の文字列で表す場合。|
|3-1||\a|ベル(アラーム)の\u0007|
|3-2||\b|角括弧の中にある場合、置換パターンの場合は、\u0008|
|3-3||\t|タブの\u0009|
|3-4||\r|キャリッジ リターンの\u000D|
|3-5||\v|垂直タブの\u000B|
|3-6||\f|フォーム フィードの\u000C|
|3-7||\n|改行文字の\u000A|
|3-8||\e|エスケープ文字の\u001B|
|3-9||\cC|ASCII 制御文字 と一致(\cC は Ctrl + C)&br;http://ja.wikipedia.org/wiki/ASCII#ASCII.E5.88.B6.E5.BE.A1.E6.96.87.E5.AD.97|
|4|>|コードポイント|各種 コードポイントを正規表現中の文字列で表す場合。|
|4-1||\040|8進数(3桁まで)で表されるASCII文字と一致|
|4-2||\x20|16進数(2桁)で表されるASCII文字と一致|
|4-3||\u0020|16進数(4桁)で表されるUnicode文字と一致|

**角括弧による文字グループ [#ue25e11a]
角括弧を使用した文字グループの定義には次のようなものがある。

※ 下記の、Chn(Ch1、Ch2、Ch3、Ch4など)は文字を表す。~
xx_ChGroup(Base_ChGroup、Excluded_ChGroup)は文字グループを表す。

***文字の連結 [#y7cc7c39]
[Ch1Ch2]

***文字範囲(範囲指定) [#j38880b9]
[Ch1-Ch2]

***文字範囲の連結 [#x5cd6a73]
[Ch1-Ch2Ch3-Ch4]

***文字グループ減算式 [#od0b2869]
[Base_ChGroup-[Excluded_ChGroup]].etc

***文字グループと文字クラスの減算式 [#e7fca066]
-[\p{xxxx}-[Excluded_ChGroup]]
-[Base_ChGroup-[Ch1-Ch2\p{xxxx}]]
-, etc.

**丸括弧による構成体 [#b0b52452]
丸括弧を使用した
-[[グループ化構成体>#n212cb79]]
-[[代替構成体>#nd7141a1]]
-[[その他の構成体>#dbe024f2]]

について説明する。

***グループ化構成体 [#n212cb79]
-グループ化構成体は、正規表現の部分式を表す(=グループ化)。

-正規表現にマッチした箇所はキャプチャされ、~
キャプチャ文字列として、プログラム中で利用できる。
--[[前後方参照>#s8e591e9]]
--[[文字列置換>#r4700117]]

-このグループ化構成体によるグループ化よって、~
正規表現にマッチした箇所を部分的にキャプチャすることもできる。

-以下の表は、
--グループ化構成体の一覧で、表中の「expression」は、正規表現の部分式を意味する。
--「expression」中の&color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。

|項番|区分|グループ化構成|>|説明|h
||||正規表現の例|マッチする部分文字列|h
||||>|キャプチャ文字列|h
|1|>|>|>|グループ化|
|1-1||(expression)|>|グループ化する箇所(丸括弧内をキャプチャする)。|
|~|~|~|"大森(一郎|二郎) "|大森一郎または 大森二郎 にマッチ|
|~|~|~|>|大森一郎、大森二郎以外に一郎、二郎が追加でキャプチャされる。|
|1-2||(?:expression)|>|グループ化する箇所(丸括弧内をキャプチャしない)。|
|~|~|~|"大森(?:一郎|二郎) "|大森一郎または 大森二郎 にマッチ|
|~|~|~|>|大森一郎、大森二郎がキャプチャされ、一郎、二郎はキャプチャされない|
|1-3||(?<name>expression)&br;※ < >は’でも良い。|>|グループ化する箇所(名前を付けて丸括弧内をキャプチャする)。|
|~|~|~|"大森(?<name>一郎|二郎) "|大森一郎または 大森二郎 にマッチ|
|~|~|~|>|大森一郎、大森二郎以外に一郎、二郎が追加でキャプチャされる。&br;※ このキャプチャ文字列は、グループ名(name)を使用して参照できる。|
|1-4||(?imnsx-imnsx: expression)|>|指定したオプションを部分式に適用(imnsxの部分)または無効(-imnsxの部分)にする。&br;正規表現のオプション&br;https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/yd1hzczs.aspx|
|1-5||(?<name1-name2>expression)|>|グループ定義を均等化する。|
|1-6||(?>expression)|>|非バックトラッキング部分式。|
|2|>|>|>|先読み・後読み(戻り読み)|
|2-1||(?=expression)|>|直後にこのパターンが現れることを確認する。|
|~|~|~|"\d+(?=%)"|後ろに「%」が続く数字の連続にマッチ|
|~|~|~|>|「%」の部分はキャプチャされない。例えば100%で100がキャプチャされる。|
|2-2||(?<=expression)|>|直前にこのパターンが現れることを確認する。|
|~|~|~|"(?<=&color(,yellow){''\''};\)\d+"|「\」に続く数字の連続にマッチ。|
|~|~|~|>|「\」の部分はキャプチャされない。例えば\100で100がキャプチャされる。|
|2-3||(?!expression)|>|直後にこのパターンが現れないことを確認する。|
|~|~|~|"\d+(?![\d%])"|後ろに「%」が続かない数字の連続にマッチ。|
|~|~|~|>|「%」の部分はキャプチャされない。例えば100KSで100がキャプチャされる。|
|2-4||(?<!expression)|>|直前にこのパターンが現れないことを確認する。|
|~|~|~|"(?<![\d&color(,yellow){''\''};\])\d+"|「\」に続かない数字の連続にマッチ。|
|~|~|~|>|「\」の部分はキャプチャされない。例えば$100で100がキャプチャされる。|

-グループ番号~
キャプチャ文字列には、其々グループ番号が与えられる。
--正規表現にマッチした箇所全体のキャプチャ文字列は、グループ番号0となる。
--グループ化により、追加でキャプチャされるキャプチャ文字列のグループ番号には、~
グループの位置順(左から右)に1から始まる番号が与えられる。

--例えば
---"(ab)(cd)(ef)"という正規表現にマッチした場合、
 <----------0---------->
 ( a b ) ( c d ) ( e f )
 <--1--> <--2--> <--3-->
---各グループのキャプチャ文字列に割り当てられる番号は次のようになる。
 入力 : xxxabcdefxxx
 ・グループ0 : abcdef
 ・グループ1 : ad
 ・グループ2 : cd
 ・グループ3 : ef

--入れ子にグループ化された場合、~
グループのキャプチャ文字列に割り当てられる番号は、~
外側から内側に順に1から始まる番号が与えられる。

--例えば
---"(a(b(c)(d)(e(f))))"という正規表現にマッチした場合、
 <----------------0---------------->
 ( a ( b ( c ) ( d ) ( e ( f ) ) ) )
                         <-6->
         <-3-> <-4-> <----5---->
     <-------------2------------->
 <----------------1---------------->
---各グループのキャプチャ文字列に割り当てられる番号は次のようになる。
 入力 : xxxabcdefxxx
 ・グループ0 : abcdef
 ・グループ1 : abcdef
 ・グループ2 : bcdef
 ・グループ3 : c
 ・グループ4 : d
 ・グループ5 : ef
 ・グループ5 : f

--なお、グループ番号は、グループ名の付与の影響を受けない。

***代替構成体 [#nd7141a1]
-代替構成体は、選択、条件分岐を表す。
-「expression」中の&color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。

|項番|区分|代替構成体|>|説明|h
||||正規表現の例|マッチする部分文字列|h
||||>|キャプチャ文字列|h
|1||(?(expression1)expression2)|>|expression1に一致した場合、そこからexpression2で検索|
|~|~|~|"(?(^大森).*郎(&color(,yellow){''\''};\r?&color(,yellow){''\''};\n|$))"|大森一郎、大森二郎、大森三郎、などの行|
|~|~|~|>|先頭が「大森」の場合、末尾が「xxx郎」の行があれば、その行がキャプチャされる。|
|2||(?(expression)yes_exp|no_exp)|>|expressionに一致した場合、そこからyes_expで検索&br;一致しなかった場合、そこからno_expで検索|
|~|~|~|"(?(^大森).*郎(&color(,yellow){''\''};\r?&color(,yellow){''\''};\n|$)|^品川.*郎(&color(,yellow){''\''};\r?&color(,yellow){''\''};\n|$))"|大森一郎、大森二郎、大森三郎、品川一郎、品川二郎、品川三郎、などの行|
|~|~|~|>|先頭が「大森」の場合、末尾が「xxx郎」の行があれば、その行がキャプチャされる。&br;また、先頭が「大森」でない場合、先頭「品川」 ~末尾「xxx郎」の行がキャプチャされる。|
|3||(?(name)yes_exp|no_exp)|>|割愛|

***その他の構成体 [#dbe024f2]
その他の構成体は、正規表現を変更する部分式(オプション、コメントなど)を表す。

|項番|その他の構成体|説明|h
|1|(? imnsx - imnsx )|パターンの途中でオプションを適用(imnsxの部分)または無効(-imnsxの部分)にする。 |
|2|(?# )|正規表現に挿入するインライン コメント。コメントは、最初の右かっこ文字で終了する。|
|3|# [行末まで]|X モード コメント。コメントは行末まで継続する。&br;このコメントを認識させるには、以下の何れかのオプションを有効にする。&br;・xオプション&br;・IgnorePatternWhitespaceオプション|

**キャプチャの利用 [#bff3e596]
-キャプチャ文字列は
--[[前後方参照>#s8e591e9]]
--[[文字列置換>#r4700117]]

>で参照(利用)できる。

-ここでは、
--[[前後方参照>#s8e591e9]] / [[文字列置換>#r4700117]]の使用方法と、
--キャプチャ文字列の参照方法に

>ついて説明する。

***前後方参照 [#s8e591e9]
前後方参照は、2つ連続する文字(文字グループ)のパターンを検索する場合などに使用する。

-前後方参照には、以下の2つの前後方参照構成体を使用する方法がある。

--グループ番号:\number
---「\1」から「\9」までの式は常に前後方参照を表し、8進のASCIIコードにはならない。
---「\11」以降の複数桁の式は、その番号に対応する前後方参照がある場合には、前後方参照と見なされる。
---それ以外の場合は、8進のASCIIコードと解釈される。~
ただし、先頭の桁が8または9の場合を除く。~
その場合はリテラルの"8"および"9"として扱われる。

--グループ名:\k<name>

-正規表現の中に、未定義のグループ番号への前後方参照が含まれる場合は、~
解析エラーと見なされる。曖昧さが問題となる場合は、名前を使用して前後方参照する。

-下記は、
--2つ連続する文字(文字クループ)のパターンを検索する「前後方参照」を使用した正規表現の例である。
--「expression」中の&color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。

--「前後方参照」を使用した正規表現の例
---2つ連続する文字のパターンを検索する
||グループ番号を使用|グループ名を使用|h
|正規表現 前後方参照|"(&color(,yellow){''\''};\S)&color(,yellow){''\''};\1"|"(?<ch>&color(,yellow){''\''};\S)&color(,yellow){''\''};\k<ch>"|
---2つ連続する文字グループのパターンを検索する
||グループ番号を使用|グループ名を使用|h
|正規表現 前後方参照|"&color(,yellow){''\''};\b(&color(,yellow){''\''};\S+)&color(,yellow){''\''};\s+&color(,yellow){''\''};\1&color(,yellow){''\''};\b"|"&color(,yellow){''\''};\b(?<str>&color(,yellow){''\''};\S+)&color(,yellow){''\''};\s+&color(,yellow){''\''};\k<str>&color(,yellow){''\''};\b"|

***文字列置換 [#r4700117]
-文字列置換は、
--正規表現にマッチした箇所のキャプチャ文字列を使用して、~
文字列の置換(付加、削除、書式変更など)を行うことができる。
--後述のAPIを使用して、正規表現、置換パターン、オプションを指定して、~
付加、削除、書式変更などの処理を実行できる。

-置換パターンに指定する置換構成体には、次のものがある。
|項番|置換構成体|説明|h
|1|$number|グループ番号と一致した部分文字列|
|2|${name}|グループ名(name)と一致した最後の部分文字列|
|3|$&|一致したパターン全体の文字列|
|4|$+|キャプチャされた最後の文字列|
|5|$_|入力文字列全体|
|6|$`|一致した場所より前にある入力文字列|
|7|$'|一致した場所より後にある入力文字列|
|8|$$|単一の "$" リテラル(エスケープ)|

-次に、正規表現による文字列置換の例を示す。
--付加
---HTML中のURLにリンクを付ける。~
※正規表現にマッチした箇所全体のキャプチャ文字列は、置換構造体「$0」でも「$&」でも参照できる。~
※&color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープと、C#に於ける「"」のエスケープ(VBの場合は「"」を使用)。
||$0版|$&版|h
|正規表現|>|"s?https?://[-_.!~*'()a-zA-Z0-9;/?:@&=+$,%#]+"|
|置換パターン|"<a href=&color(,yellow){''\''};"$0&color(,yellow){''\''};">$0</a>"|"<a href=&color(,yellow){''\''};"$&&color(,yellow){''\''};">$&</a>"|

---文書中の行頭に引用記号を挿入する。~
※ 正規表現に位置指定子(アトミック ゼロ幅アサーション)を単独で使用した場合もキャプチャ → 置換ができる。
|||h
|正規表現|"^"|
|置換パターン|"> "|

--削除
---文書中の行末の空白文字を削除する。~
※ 削除する場合、置換パターンに空文字列を指定する。~
※ 実行時、Multilineオプションを設定する必要がある。~
※ &color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。
|||h
|正規表現|"[&color(,yellow){''\''};\t]+(?=&color(,yellow){''\''};\r?&color(,yellow){''\''};\n|$)"|
|置換パターン|"" (空文字列)|

---無効な文字を削除する。~
※ 削除する場合、置換パターンに空文字列を指定する。~
※ @、- (ハイフン)、および . (ピリオド) 以外のすべての非英数文字を取り除いた文字列を返す。~
※ &color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。
|||h
|正規表現|"[^\\w\\.@-]"|
|置換パターン|"" (空文字列)|

---文書中の連続する同じ行を削除する。~
※ 上記は、[[前後方参照>#s8e591e9]]を併用している。~
※ 実行時、Multilineオプションを設定する必要がある。~
※ &color(,yellow){''ハイライトの「\」''};は、リテラル中の「\」のエスケープ。
||||h
||グループ番号を使用|グループ名を使用|
|正規表現|"^(.*)(\\r?\\n\\1)+$"|"^(?<line>.*)(\\r?\\n\\k<line>)+$"|
|置換パターン|"$1"|"${line}"|

*参考 [#s88876ee]
-.NET Framework の正規表現~
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/hs600312.aspx
-正規表現の基本 - .NET Tips (VB.NET,C#...)~
http://dobon.net/vb/dotnet/string/regex.html
-正規表現 (System.Text.RegularExpressions)~
Programming/.NET Framework - 総武ソフトウェア推進所~
http://smdn.jp/programming/netfx/regex/
-Regular-Expressions.info - Regex Tutorial, Examples and Reference - Regexp Patterns~
http://www.regular-expressions.info/index.html


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