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目次

概要

Windowsネットワークの基礎知識、設定・トラブルシュート」3部作の第3部。

ネットワーク管理・監視の必要性

ここ数年でネットワーク機器(NIC、スイッチなど)の価格は大きく値下がりし、
以前は、情報システム部門が担当していたネットワーク構築も"末端部分に関しては"
各部門から個人へと、ネットワーク構築の担当者のレベルが低下してきている。

このため、末端のネットワークで

などの問題が発生した場合、個人レベルでの対応が必要になる場合もある。

本ドキュメントでは対象読者を考慮し、末端のネットワークにおける、

などの方法について説明する。

ココでは、このマクロな問題・ミクロな問題を以下のように定義する。

マクロな問題

ココでは、ネットワークの全体的な問題をマクロな問題と呼ぶ。
以下の表に、このマクロな問題と、問題の検出方法の例を示す。

ミクロな問題

ココでは、ネットワーク通信の局地的な問題をミクロな問題と呼ぶ。
以下の表に、このミクロな問題と、問題の検出方法の例を示す。

ネットワークの把握

マクロな問題・ミクロな問題の切り分け、対応の際には、
ネットワークの把握が必要になる。本章では、ネットワークを把握するための、

の確認方法について説明する。

ネットワーク構成の確認

初めに、ネットワーク構成(VLANなどの論理構成も含む)を確認し、問題になり得る部分を把握する。
ネットワーク構成の確認に利用できるネットワーク管理資料には次のようなものがある。

ネットワーク構成の問題点の確認

次に、ネットワーク構成の問題点を確認する。
以下のチェックリストを使用してネットワーク構成に問題点が無いか確認する。

ネットワークに必要な帯域幅の確認

ネットワーク構成に問題がないことを確認したら、必要とされる帯域幅を計算し、ネットワークの帯域幅に問題が無いかを確認する。
例えば、下記の構成では合計6台のPCが、ネットワーク プリンタとファイル サーバを使用する。

対象ネットワーク

通常、ブロードキャストやマルチキャストのパケットはそれほど多く使われていないので、
全ての通信がユニキャストで処理されている前提でトラフィックを計算する。

サーバ毎のトラフィック タイプがあるので、それぞれ次の式に当てはめて、

を算出する。

※ 単位時間あたりにクライアントから送信されるトラフィック タイプ A のデータ量

マクロな問題の検出

ネットワークの以下の項目を監視することで、マクロな問題の検出ができる。
マクロな問題の検出には、一般的に定常的な監視が必要である。

マクロな問題の検出のための監視ポイント

転送データ量

現状の実際の転送データ量を把握することで、帯域幅の不足を確認できる。
必要とされる帯域幅の計算方法については、「ネットワークに必要な帯域幅の確認」を参照。

パケット数

パケット数の値を参考にして、スイッチング能力に不足がないかを確認できる。

当該ネットワークの理論上の最高通信速度で、最も負荷がかかる

「現在使用しているネットワークの帯域幅で、単位時間あたりに流れ得る最小サイズのフレーム数が最大となる状態」

を、ネットワークのワイヤ スピードと呼ぶ。

ブロードキャスト パケットの監視

サーバのNICの監視

に処理能力を超える高い負荷がかかってしまう可能性がある。

などにより、

などへ負荷を分散できる。

負荷分散の方式の例

方式1: 複数ルータ・複数NICの設置

方式1: 複数ルータ・複数NICの設置

方式2: サーバの分散(サーバ上のコンテンツ自体を分散する)

方式2: サーバの分散(サーバ上のコンテンツ自体を分散する)

方式3: 負荷分散装置の導入

方式3: 負荷分散装置の導入

マクロな問題の検出のための監視部位

マクロな問題を検出するにあたっての監視部位には、NIC、ネットワークがある。

以下、これらの部位の監視方法について説明する。

NIC

サーバ ファームなどのネットワークでマクロな問題を検出する場合は、

ネットワーク

MACアドレス フィルタリング機能

などのネットワーク型IDSを導入することもできるが、比較的高価である。

パケット キャプチャ ツールを使用する方法(1)
パケット キャプチャ ツールを使用する方法(2)

ミクロな問題の検出

ミクロな問題の検出には、一般的にパケット キャプチャが有用である。

ミクロな問題の検出のためのパケット キャプチャ位置とタイミング

ココでは、ミクロな問題の検出のためのパケット キャプチャ位置とタイミングについて説明する。

パケット キャプチャの位置

クライアント - サーバのNICのパケット キャプチャ
経路上のパケット キャプチャ

パケット キャプチャのタイミング

パケット キャプチャのタイミングは、

異なる。

ミクロな問題を起こしているレイヤの切り分け、対応方法

ココでは、ミクロな問題を起こしている(OSI基本参照モデルの)レイヤの切り分け、対応方法について説明する。

Wiresharkの操作方法

Wiresharkの操作方法」を参照。

マクロな問題検出についての具体例

帯域の不足、スイッチング能力、ワイヤ スピード

通信の一覧・統計

ミクロな問題検出についての具体例

第2層以下の問題の検出

第3層(IP)の問題の検出

IPの問題点として確認できること

IPのトラブルシュート事例

第4層(TCP)の問題の検出

TCPの問題点として確認できること

TCPのトラブルシュート事例

第4層(UDP)の問題の検出

7-5層(HTTP・FTP・SMTP・SMB)の問題の検出

参考

電文を確認する方法(パケット・キャプチャ)


Tags: :通信技術


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