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-[[戻る>ASP.NET MVC]]

* 目次 [#xe5726ff]
#contents

*概要 [#h6dc5730]

*MVC [#o92da354]
MVCの基本的な考え方
**M(Model)に実装される処理 [#a1340f52]
Modelには、

-B層クラスと、
-B層クラスが返すViewに渡されるEntity, Bean的なクラス

がある。

**V(View)に実装される処理 [#ad9a7d3d]
View = 画面表示のための処理。

-マスタページ的なViewと、
-全体View
-部分Viewがある。

**C(Controller)に実装される処理 [#h99848ae]
M(Model)→(Bean≒M)→V(View)呼び出し。

*ルーティング [#abe121d3]
-あらかじめ定義されたルート定義 (URLのパターン) にしたがい、URLからコントローラやアクションに処理を振り分けること。
-例えば、ASP.NET MVCでは、デフォルトで以下のようにルーティングが定義されている。(このルート定義は、自由にカスタマイズ可能)

 routes.MapRoute(
     "Default",                     // Route name
     "{controller}/{action}/{id}",  // URL with parameters
     new { controller = "Home", action = "Index", id = "" }  // Parameter defaults
 );

この時、ブラウザから
 http://server/applicationname/Products/Index/1
というURLでリクエストを送信した場合、ルート定義にしたがい、ページハンドラは
-コントローラ名:Products
-アクション名:Index
-id (アクションに渡す値):1

と判断し、Products コントローラの Index アクションを呼び出し、アクションの引数として "1" を渡す。

*ビューエンジン [#z40de977]
Webページのビューエンジンには以下の2つのものがある。

**ASPX [#u5044497]
従来の ASP.NET と同様、式やコードブロックを <% ~ %> で囲む記述形式。~
View の拡張子も、従来の ASP.NET と同様、「*.aspx」で表される。

**Razor [#id4ef38b]
ASP.NET MVC 3 で登場したビューエンジン。~
式やコードブロックの先頭に「@」を付与する記述形式。~
View の拡張子は、C# の場合は「*.cshtml」、VB の場合は「*.vbhtml」で表される。

*HTMLヘルパー [#r27d7319]
従来の ASP.NET では、ASP.NET Web コントロールを使用して、ラベルやテキストボックスなどのコントロールを表示していたが、ASP.NET MVC では HTML ヘルパーを使用する。

ASP.NET MVC では、主に以下のような HTML ヘルパーが使用できる。
||HTML ヘルパー|
|フォーム <form>|Html.BeginForm または Ajax.BeginForm|
|リンク <a>|Html.ActionLink|
|テキストボックス <input type="text">|Html.TextBox または Html.TextBoxFor|
|テキストエリア <textarea>|Html.TextArea または Html.TextAreaFor|
|パスワード <input type="password">|Html.Password または Html.PasswordFor|
|チェックボックス <input type="checkbox">|Html.CheckBox または Html.CheckBoxFor|
|ドロップダウンリスト <select>|Html.DropDownList または Html.DropDownListFor|
|リストボックス <select>|Html.ListBox または Html.ListBoxFor|
|ラジオボタン <input type="radio">|Html.RadioButton または Html.RadioButtonFor|
|隠しフィールド <input type="hidden">|Html.Hidden または Html.HiddenFor|

-...Forという名称のHTML ヘルパーは、ViewとModelの間での双方向バインディングを行う。詳しくは、「[[ASP.NET MVCの利用方法 - HTML ヘルパーの使い分け>ASP.NET MVCの利用方法#c3297525]]」を参照のこと。

-なお、ボタンを生成する HTML ヘルパーはないため、直接 <input type="button"> または <input type="submit"> を記述する。

*マスターページ [#ycd23a70]
ヘッダーやフッター、サイドメニューなどをアプリケーションで共通的に表示させたい場合、マスターページを使用してレイアウトを共通化させることができる。マスターページには、画面ごとに個別実装が必要な箇所を定義する。

-ビューエンジンが ASPX の場合は、従来の ASP.NET と同様 ContentPlaceHolder を使用する。
-ビューエンジンが Razor の場合は、RenderBody を使用してメインのコンテンツ領域を定義する。

メインのコンテンツ領域以外に、画面ごとに個別実装が必要な箇所を定義する場合、RenderSection を使用して「セクション」と呼ばれるサブのコンテンツ領域を定義する。

 <!DOCTYPE html>
 <html>
 <head>
     <meta charset="utf-8" />
     <meta name="viewport" content="width=device-width" />
     <title>@ViewBag.Title</title>
     @Styles.Render("~/Content/css")
     @Scripts.Render("~/bundles/modernizr")
 </head>
 <body>
     <!-- メインのコンテンツ領域を描画する場所を定義 -->
     @RenderBody()
 
     @Scripts.Render("~/bundles/jquery")
     <!-- セクション (サブのコンテンツ領域) を描画する場所を定義 -->
     @RenderSection("scripts", required: false)
 </body>
 </html>

例えば、上記のようにマスターページを定義した場合、各画面では以下のように実装する。

 @{
     ViewBag.Title = "Index";
     Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";   // 使用するマスターページを指定
 }
 
 @* メインのコンテンツ領域 *@
 <h2>Index</h2>
 
 @* セクション (サブのコンテンツ領域) *@
 @section scripts{
     <script type="text/javascript">
         ...
     </script>
 }

上記のように、セクションを実装する場合、
-C# の場合は「@section <セクション名> { ~ }」、
-VB の場合は「@Section <セクション名> ~ End Section」

で囲む必要がある。

*BeginForm [#se7ba00c]
BeginFormには以下の2つのものがある。

**Html.BeginFormの特徴 [#w59fdfea]
-従来のASPなどでも採用されていたMVC方式を同じ仕組み。
-リクエスト・レスポンスの度に、画面全体を再描画する。
-ViewState相当の状態保存処理を独自実装する必要がある。

**Ajax.BeginFormの特徴 [#mb6e9e4d]
-クライアント・サイドのJavaScriptフレームワークとシームレスに連動して部分更新を実現する仕組み。

-Html.BeginFormとモジュール構造は大きく変わらない。ただし、以下のようにHtml.BeginFormと動作は大きく異なる。

--jQueryを使用してリクエストし、
--更新部位のレスポンスを受けてJavaScriptで描画。

-部分更新のターゲットを意識する必要がある。
--送信時に設定したターゲット以外を更新する場合、画面遷移をする場合、~
JavaScriptを返して更新や画面遷移をする必要がある。

-参考
--連載:ASP.NET MVC入門:第3回~
ActionResultオブジェクトでアクション操作も自由自在 (4-5) - @IT~
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0907/10/news109_4.html
>その性質上、Ajax通信の結果をページの一部に反映させるようなケースで利用することになるだろう。

*スキャフォールディング [#e701b267]
スキャフォールディング(Scaffolding)

-データモデルとなる型を元に、
ASP.NET MVC のコントローラクラスに対して、~
データベースの CRUD(Create/Read/Upadate/Delete)と呼ばれる追加、読込、変更、削除を操作を行う~
画面とそのコード(アクション・メソッド)を自動で生成する機能。のひな形を自動生成する機能。

--通常、アクション・メソッドだけが自動生成される。
--ADO.NET [[Entity Framework]] によるデータ操作を行う場合、アクション・メソッドに加えて View も自動生成できる。

-[[WebFormでもサポートされている>http://blog.shibayan.jp/entry/20130219/1361281202]]。

*[[ADO.NET Entity Framework のコードファースト機能>Entity Framework]] [#zb82cea5]

*ASP.NET MVC 4 の新機能 [#b06c540b]
**プロジェクトテンプレートの追加 [#k159317d]
テンプレートが追加された。
-Facebook キャンバスアプリを簡単に作成するための「Facebookアプリケーション」テンプレート
-シングルページ アプリケーションを作成するための「シングル ページ アプリケーション」
-,etc.

**モバイルデバイス対応 [#gae80c09]
ASP.NET MVC 4 で追加された「モバイル アプリケーション」テンプレートを使用して、モバイルデバイス向けアプリケーションを作成できる。このテンプレートでは、jQuery Mobile をベースとしており、タッチ操作に最適化した UI を構築できる。

-複数ブラウザに対応させるためのディスプレイモード
--xxx.cshtml (PC 向け)
--xxx.Mobile.cshtml (一般的なモバイル向け)
--xxx.iPhone.cshtml (iPhone 向け)
--その他


**複数ブラウザに対応させるためのディスプレイモード [#i6400115]
ASP.NET MVC のディスプレイモードを利用すると、PC 向けサイト、モバイル向けサイトのように、ブラウザに応じてレイアウトを変えることができる。ディスプレイモードは、Global.asax の Application_Start メソッドに定義することで使用できる。~
例えば、iPhone 向けのディスプレイモードを定義したい場合は、以下のように実装する。

 protected void Application_Start()
 {
     (中略)
 
     DisplayModeProvider.Instance.Modes.Insert(0, new DefaultDisplayMode("iPhone")
     {
         ContextCondition = (context => context.GetOverriddenUserAgent().IndexOf("iPhone", StringComparison.OrdinalIgnoreCase) >= 0)
     });
 }

この時、通常の「Index.cshtml」と同じフォルダに「Index.''iPhone''.cshtml」を作成し、iPhone 向けのレイアウトを定義すると、

 http://server/application/Controller/Index/id

という同じ URL に対し、PC のブラウザからアクセスした場合は「Index.cshtml」が使用され、iPhone からアクセスした場合は「Index.''iPhone''.cshtml」が使用されるようになる。

**Web API [#s5b3bcda]
RESTful な HTTP サービスを構築するためのフレームワーク。~
既定では、以下のようにルーティングが定義されている。

 config.Routes.MapHttpRoute(
     name: "DefaultApi",
     routeTemplate: "api/{controller}/{id}",
     defaults: new { id = RouteParameter.Optional }
 );

したがって、Web API のアクションを呼び出す際の URL は以下のようになる。

 http://server/application/Controller/id

ASP.NET MVC と違い、Web API のルート定義にはアクションの指定がない。Web API を使用した場合、リクエストの HTTP メソッドに応じて、以下のようにコントローラのアクションが自動的に呼び出される。

|HTTP メソッド|呼び出されるメソッド|
|GET|"Get" で始まる名前のメソッド|
|POST|"Post" で始まる名前のメソッド|
|PUT|"Put" で始まる名前のメソッド|
|DELETE|"Delete" で始まる名前のメソッド|

Web API を利用した場合のコントローラの例を以下に示す。同じコントローラの中で GET に対応したメソッドを複数定義したい場合などは、以下のようにオーバーロードで対応できる。

 public class ValuesController : ApiController
 {
     // GET api/values
     public IEnumerable<string> Get()
     {
         return new string[] { "value1", "value2" };
     }
 
     // GET api/values/5
     public string Get(int id)
     {
         return "value";
     }
 
     // POST api/values
     public void Post([FromBody]string value)
     {
     }
 
     // PUT api/values/5
     public void Put(int id, [FromBody]string value)
     {
     }
 
     // DELETE api/values/5
     public void Delete(int id)
     {
     }
 }

**OAuth / OpenID 対応 [#z14b0107]
ASP.NET MVC 4 の「インターネット アプリケーション」テンプレートを使用すると、OAuth/OpenId を使用した Facebook / Twitter / Google / Microsoft などのアカウントによる認証が可能となる。~
これらのアカウントによる認証を行う場合は、App_Start フォルダの AuthConfig クラスで設定を記述する。

 public static void RegisterAuth()
 {
     OAuthWebSecurity.RegisterFacebookClient(
         appId: "",
         appSecret: "");
 }

Microsoft.Web.WebPages.OAuth.OAuthWebSecurity クラスには、各サービスに応じて、アカウント認証を行うためのメソッドが用意されている。

|RegisterFacebookClient|Facebook アカウントによる認証|
|RegisterGoogleClient|Google アカウントによる認証|
|RegisterLinkedInClient|LinkedIn アカウントによる認証|
|RegisterMicrosoftClient|Microsoft アカウントによる認証|
|RegisterTwitterClient|Twitter アカウントによる認証|
|RegisterYahooClient|Yahoo アカウントによる認証|

**シングルページ アプリケーション [#i6c5037c]
単一ページで構成される Ajax アプリケーション。~
HTML5 / CSS や、各種 JavaScript ライブラリを使用することで、UX の向上、マルチデバイス対応が可能となる。~
シングルページ アプリケーションでは、クライアントサイドは各種 JavaScript ライブラリを使用してデータ操作を行い、サーバサイドは Web API を使用して RESTful にアクションメソッドを実行する。~
「シングル ページ アプリケーション」テンプレートを使用すると、既定で以下の JavaScript ライブラリが使用できる。

|JavaScript ライブラリ|説明|
|jQuery|JavaScript のコーディングを支援するライブラリ|
|jQuery UI|jQuery をベースとした UI ライブラリ|
|jQuery Validate|HTML フォームの入力検証を行う jQuery プラグイン|
|knockout.js|JavaScript による MVVM (Model-View-ViewModel) フレームワーク|
|modernizr.js|HTML5/CSS のブラウザ対応状況を調査するためのライブラリ|

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