マイクロソフト系技術情報 Wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。

目次

概要

DNSサーバによる名前解決の仕組み

DNSサーバの種類

DNSサーバには、

などの種類がある。

次に、これらのDNSサーバの種類と特長について説明する。

コンテンツ サーバ

フルサービス リゾルバ(キャッシュ サーバ)

コンテンツ サーバ、フルサービス リゾルバ(キャッシュ サーバ)

スタブ リゾルバとスレーブ サーバ

スタブ リゾルバ

「フルサービス リゾルバ」に「再帰クエリ」を送信する、端末側で動作する「リゾルバ」(DNSクライアント)を「スタブ リゾルバ」と呼ぶ。

スレーブ サーバ

また、「再帰クエリ」を他サーバへ転送し、自身は「反復クエリ」を送信しない「スタブ リゾルバ」機能だけを実装しているDNSサーバを俗に「スレーブ サーバ」と呼ぶ。

スタブ リゾルバ、スレーブ サーバ

条件付きフォワーダとスタブ ゾーン

コンテンツ サーバがDNS クエリを処理する際、
「別のDNS サーバを紹介したり別のDNS サーバへDNS クエリを転送したりする機能」
に「条件付きフォワーダ」と「スタブ ゾーン」がある。

条件付きフォワーダ

条件付きフォワーダ(1)
条件付きフォワーダ(1)

スタブ ゾーン

である。

これにより、「スタブ ゾーン」をホストする親ドメインの「コンテンツ サーバ」では、子ドメインの管理を自動化できる。

スタブ ゾーン

また、「スタブ ゾーン」をホストする親ドメインのコンテンツ サーバが、子ドメインに対するDNSクエリを受信した場合、次のような処理を実行する。

BBルータを使用した家庭LANの例

例えば、家庭LANのBBルータなどは「スレーブ サーバ」的な機能を提供する。

BBルータを使用した家庭LAN上のPCで「ipconfig /all」コマンドを実行すると、
BBルータ上のDHCPサーバから、デフォルト ゲートウェイ・DNSサーバ(スレーブ サーバ)
にBBルータのIPアドレスが設定されていることを確認できる。

>ipconfig /all
Windows IP Configuration
  Host Name . . . . . . . . . . . . : (ホスト名)
  Primary Dns Suffix  . . . . . . . :
  Node Type . . . . . . . . . . . . : Unknown
  IP Routing Enabled. . . . . . . . : No
  WINS Proxy Enabled. . . . . . . . : No

Ethernet adapter ローカル エリア接続:
  Connection-specific DNS Suffix  . :
  Description . . . . . . . . . . . : (NIC名)
  Physical Address. . . . . . . . . : (NICのMACアドレス)
  Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : No
  IP Address. . . . . . . . . . . . : (ローカルマシンのIPアドレス)
  Subnet Mask . . . . . . . . . . . : (サブネット マスク)
  Default Gateway . . . . . . . . . : (BBルータのIPアドレス)
  DNS Servers . . . . . . . . . . . : (BBルータのIPアドレス)

この場合、プロバイダ指定のDNSサーバがフルサービス リゾルバに相当する。

ゾーン

各ノードで管理されるDNS情報の単位を「ゾーン」と呼ぶ。

前方参照ゾーン・逆引き参照ゾーン

前方参照ゾーン

逆引き参照ゾーン

DNSによる逆引き名前解決に必要なゾーン データである。

前方参照ゾーン・逆引き参照ゾーン

スタブ ゾーン

「スタブ ゾーン」については、「スタブ ゾーン」で説明。

ゾーン レコード

ゾーン データの単位を「レコード」、「リソース レコード」と言う。

DNSサーバの冗長化構成

プライマリ ネームサーバ・セカンダリ ネームサーバ

の区分けがある。

プライマリ ネームサーバ

「プライマリ ネームサーバ」は、「ゾーン ファイル」を自身で保存する。

セカンダリ ネームサーバ

プライマリ ネームサーバ・セカンダリ ネームサーバと、ゾーン転送

ゾーン データをレプリケーションする、ゾーン転送の仕組み

ゾーン データをレプリケーションする、「ゾーン転送」の仕組みの仕組みは、以下の通りである。

  1. セカンダリ ネームサーバは、セカンダリ ネームサーバの「SOA」レコードに含まれる「更新間隔」が経過したら、「SOA要求」を送信する。
  2. プライマリ ネームサーバは「SOA要求」を受信し、プライマリ ネームサーバの「SOA」レコードに含まれる「シリアル番号」を、「SOA返信」として返信する。
  3. セカンダリ ネームサーバは「シリアル番号」を参照し、ゾーン ファイルが更新されていることを確認する
    (受信した「シリアル番号」が、自身の保持する「シリアル番号」より大きい場合、ゾーン ファイルが更新されていることを意味する)。
  4. ゾーン ファイルが更新されている場合、セカンダリ ネームサーバはゾーン ファイルの更新を確認し、「ゾーン転送要求」を送信する。
  5. プライマリ ネームサーバは「SOA要求」を受信し、ゾーン転送を開始する。この時、ゾーン転送の種類として「完全ゾーン転送 」・「差分 / 増分ゾーン転送 」を選択できる。
    • 「完全ゾーン転送」(AXFR)
      • すべての DNS サーバにサポートされている標準的なレプリケート処理で、ゾーン ファイル全体が「プライマリ ネームサーバ」から「セカンダリ ネームサーバ」にレプリケートされる。
    • 「差分 / 増分ゾーン転送」(IXFR)
      • 「差分 / 増分ゾーン転送」では、転送量を減らすことができる。
      • 「プライマリ ネームサーバ」のゾーンの変更履歴から、「セカンダリ ネームサーバ」のゾーン ファイルとの差分 / 増分情報のみがレプリケートされる。
      • 「プライマリ ネームサーバ」が「差分 / 増分ゾーン転送」をサポートしないか、またはゾーンの変更履歴がない場合は、「完全ゾーン転送」でレプリケートされる。
  6. セカンダリ ネームサーバは、この転送データをもとに、自身のゾーン ファイルを 最新の情報に更新し、新しいゾーン ファイルを有効にする。
ゾーン転送の仕組み

※ゾーン転送は、

WindowsでのDNSクライアントの設定

以下に、WindowsでのDNSクライアントを構成する場合の設定方法を示す。

優先DNSサーバ・代替DNSサーバの設定方法

Windowsに「優先DNSサーバ」・「代替DNSサーバ」を設定する手順を以下に示す。

  1. [スタート] ⇒ [設定] ⇒ [ネットワーク接続] ⇒ [ローカルエリア接続]を右クリックし[プロパティ]を選択する。
  2. 表示されたダイアログの[全般]タブで「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選択し、[プロパティ]ボタンを押す。
    これにより[インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログが表示される。
  3. [全般]タブのプロパティを設定することで、「優先DNSサーバ」・「代替DNSサーバ」のIPアドレスを設定できる。設定箇所には、以下の3箇所がある。
    1. DHCPサーバから各DNSサーバのIPアドレスを取得する場合は、[DNSサーバのアドレスを自動的に取得する]オプション ボタンを選択する。
    2. 「優先DNSサーバ」・「代替DNSサーバ」の各IPアドレスを設定するには、[次のDNSサーバのアドレスと使う] オプション ボタンを設定し、DNSサーバのIPアドレスを直接入力する。
    3. 3台以上の「代替DNSサーバ」のIPアドレスを設定するには、
      [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログの[全般]タブの[詳細設定]ボタンを押して表示される、
      [TCP/IP詳細設定]ダイアログの[DNS]タブの[DNSサーバー アドレス]リスト ボックスにDNSサーバのIPアドレスを設定する。

リストの上から順番に問い合わせるので、一番上が「優先DNSサーバ」になる。

「優先DNSサーバ」・「代替DNSサーバ」の設定方法

DNSの検索サフィックスの設定方法

DNSの検索サフィックスとは

Windowsへの設定方法

WindowsにDNSの検索サフィックスを設定する手順を以下に示す。

  1. [スタート] ⇒ [設定] ⇒ [ネットワーク接続] ⇒ [ローカルエリア接続]を右クリックし[プロパティ]を選択する。
  2. 表示されたダイアログの[全般]タブで「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選択し、[プロパティ]ボタンを押す。
    これにより[インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログが表示される。
  3. [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログの[全般]タブの[詳細設定]ボタンを押して表示される、
    [TCP/IP詳細設定]ダイアログの[DNS]タブにDNSの検索サフィックスを設定する。設定箇所には、以下の2箇所がある。
    1. [プライマリおよび接続専用のDNSサフィックスを追加する]オプション ボタン
      こちらを選択することで、「プライマリDNSサフィックス」と「接続専用のDNSサフィックス」をFQDN名の生成処理に使用するようになる。
      同時に[プライマリDNSサフィックスの親サフィックスを追加する]チェック ボタンを選択すると、
      「プライマリDNSサフィックス」の親ドメインのDNSサフィックスを順番にFQDN名の生成処理に使用するようになる。
    2. [以下のDNSサフィックスを順に追加する]オプション ボタン
      こちらを選択し、リスト ボックスにDNSサフィックスを入力することで、リストの上のDNSサフィックスを順番にFQDN名の生成処理に使用するようになる。
DNSの検索サフィックスの設定方法

ローカルFQDN名生成の元情報の設定方法

WindowsにローカルPCのFQDN名を生成する元情報である

を設定する手順を以下に示す。

は、DNSの検索サフィックスとしても使用される。

ここで設定した、DNSの検索サフィックスは、
「ipconfig /all」コマンドを使用して確認できる。

プライマリDNSサフィックスの設定方法

  1. [スタート] ⇒ [設定] ⇒ [コントロール パネル] ⇒ [システム]を選択し、[システムのプロパティ]ダイアログを表示させる。次に、[コンピュータ名]タブに移動し、[変更]ボタンを押す。
  2. すると、[コンピュータ名の変更]ダイアログが表示されるので、[詳細]ボタンを押す。これにより、[DNSサフィックスとNetBIOSコンピュータ名] ダイアログが表示される。
  3. 「プライマリDNSサフィックス」は、ここの[このコンピュータのプライマリDNSサフィックス]に入力することで設定可能である。
プライマリDNSサフィックスの設定

接続専用のDNSサフィックスの設定方法

  1. [スタート] ⇒ [設定] ⇒ [ネットワーク接続] ⇒ [ローカルエリア接続]を右クリックし[プロパティ]を選択する。
  2. 表示されたダイアログの[全般]タブで「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選択し、[プロパティ]ボタンを押す。
    これにより[インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログが表示される。
  3. [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログの[全般]タブの[詳細設定]ボタンを押して表示される、
    [TCP/IP詳細設定]ダイアログの[DNS]タブの下部のテキスト ボックスで設定できる。
接続専用のDNSサフィックスの設定

ゾーン ファイルの動的更新の設定方法

ゾーン ファイルの動的更新

下記に該当する場合に利用できる、そのホスト名とIPアドレスの対応を動的に登録・管理するための仕組みとして「ゾーン ファイルの動的更新機能」がある。

この「ゾーン ファイルの動的更新機能」に対応したDNSをDDNS(Dynamic DNS)という。

DDNSは、その用途・形態から大きく以下の2通りに分けることができる。

Windowsへの設定方法

ゾーン ファイルの動的更新の設定

「優先DNSサーバ」に設定した場合、

DNSサーバの診断ツール

nslookupコマンド?

DNSクライアントの名前解決機能を手動実行する。

ゾーン レコードをテキスト ファイルに出力する。

参考

DNSListコマンド?

「DNSLint」というコマンド ライン診断ツールを使用して、DNSクエリを検証できる。

ipconfigコマンド

参考


Tags: :Active Directory, :認証基盤, :ディレクトリ サービス


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS