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目次 †
概要 †
NICのオプション設定(通信モード、MACアドレス・IPアドレス.etc)について説明する。
全二重・半二重の設定 †
- TPケーブルを用いたイーサネットには、
- 通信速度の違いのほかに、
- 半二重・全二重という通信モードの区別もある。
- 現在のイーサネットは、
- TPケーブルなどの全二重通信が可能な媒体と、
スイッチのMACアドレス フィルタ機能により全二重通信が可能になっている。
- しかし、接続されているハブが所謂「リピータ ハブ」の場合は、半二重通信しか利用できない。
- このような通信速度、半二重・全二重混在のイーサネットでは、
- 接続されたホストやハブの通信モードが異なっていると、データを正しく送受信することができない。
- このため、ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。
信号の役割 †
ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。
項番 | 機器 | 信号 | 役割 |
1 | 10BASE-T機器 | NLP信号 | 通信速度・半二重であることを認識する。 |
2 | 100BASE-TX機器 | アイドル信号 | 通信速度を認識する。 |
3 | FLPバースト信号 | 全二重か半二重かを認識する。 |
FLPバースト信号 †
- 「オート ネゴシエーション」機能で使用され、半二重・全二重を識別する。
- 「自動識別モード」の機器同士であれば「FLPバースト信号」により半二重・全二重を識別する。
- しかし、「全二重固定モード」の機器は「FLPバースト信号」に応答しないため、半二重・全二重を識別できない。
- 「自動識別モード」の仕様上、半二重・全二重か解からないときは半二重を選択する。
- このため、「自動識別モード」、「全二重固定モード」が混在する場合、
半二重・全二重を識別できず(通信モードのアンマッチが起こり)、
通信速度が遅い、通信に失敗するなどのトラブルが起きる。
NICの通信モードの設定手順 †
- [スタート] → [設定] → [コントロール パネル] → [ネットワーク接続] → [ローカル エリア接続]を選択し、右クリックして表示される[プロパティ]を選択する。
- 表示される [ローカル エリア接続のプロパティ]ダイアログの[全般]タブのNICの[構成]ボタンを押すと、[NICのプロパティ] ダイアログが表示される。
- ここの[詳細設定]タブで、通信速度、半二重・全二重、自動識別のオプションを設定する。
この表示のされかた(プロパティ名、値)は、NICのドライバにより異なる。
参考 †
MACアドレスの設定 †
通常、NICのROMに設定されているものをそのまま使用 †
- 通常MACアドレスはNICのROMに設定されているものをそのまま使用する。
NICのROMに書き込まれているMACアドレスは「ipconfig /all」コマンドを使用して確認できる。
NIC、NICのドライバによっては変更可能。 †
- しかし、NIC、NICのドライバによっては、上記の[NICのプロパティ] ダイアログからMACアドレスを変更できるものもある。
- NLBを使用する場合は、MACアドレスを変更できるNICを実装している必要がある。
IPアドレスの追加 †
1台のPCの、1枚のNICには、複数のIPアドレスを設定できる。
追加方法 †
- 複数のIPアドレスを設定するには、「IPアドレスの静的割り当て」で説明した、
[インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログにて設定する。
- NICに複数のIPアドレスを設定する手順を以下に示す。
- 複数のIPアドレスを設定する場合、DHCPは有効にできないため、
[インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログで、IPアドレスを静的に割り当てる。
- [詳細設定]ボタンを押して開かれた[TCP/IP詳細設定]ダイアログの[IP設定]タブの、
[IPアドレス]グループの[追加]ボタンを押すとIPアドレスの入力ダイアログが表示される。
- このIPアドレスの入力ダイアログで、複数のIPアドレスを設定する。
複数のIPアドレスの用例 †
ファイルプリンタ共有サービス †
以下の図は、1台のPCの、1枚のNICに、複数のIPアドレスを設定し、
複数のIPアドレスを使用してPCの「ファイルプリンタ共有サービス」にアクセスした所である。
1台のPCの、1枚のNICに2つのIPアドレスを設定し、
2つのIPアドレスを使用してアクセスできることを確認できる。
MSCS/WSFCクラスタの
- 各ノードの物理 IP アドレスと
- 仮想サーバの仮想 IPアドレスも、
このように、1台のPCの、1枚のNICに、
複数のIPアドレスを設定する方式で実装されている。
仮想化技術とNIC †
仮想PC・仮想サーバのNIC †
- 仮想化技術(仮想PC・仮想サーバ)でも、1枚のNICをホストOS、仮想PC・仮想サーバで共有する。
この場合も、1枚のNICに1つのIPアドレスが付与されるが、仕組みは前述の方式と大きく異なる。
- 仮想化技術では、
- 「NDIS中間ドライバ」により、ホストOSのプロトコル ドライバと仮想的なNICに対してプログラム インターフェイスを提供する。
- これにより、1台のPCの、1枚のNICを仮想的に、2枚のNICに分割している。
ホストOS、仮想PC・仮想サーバへのイーサネット フレームは、「NDIS中間ドライバ」上でMACアドレス フィルタリングがかけられ、送信先のOSにのみ届けられる。
プロミスキャス モード †
- この仕組みは、プロミスキャス モードで動作するパケット キャプチャ ツールなどでも利用されており、
「NDIS中間ドライバ」を使用して、MACアドレス フィルタリングする位置を変更し、
パケット キャプチャ ツールのみ、当該ノード向けで無いイーサネット フレームを受信できるようになる。
- プロミスキャス モードとは、
NICなどにおいて、自ノード宛てだけではなく、ネットワーク上を流れているすべてのパケットを取り込むという動作モードのこと。
パケットをキャプチャして解析するパケット キャプチャ ツールなどにおいて利用される。
Tags: :通信技術, :Windows