「[[マイクロソフト系技術情報 Wiki>http://techinfoofmicrosofttech.osscons.jp/]]」は、「[[Open棟梁Project>https://github.com/OpenTouryoProject/]]」,「[[OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会>https://www.osscons.jp/dotNetDevelopmentInfrastructure/]]」によって運営されています。 -[[戻る>ネットワークの基礎編]] * 目次 [#i75c11e2] #contents *概要 [#f9914243] NICのオプション設定(通信モード、MACアドレス・IPアドレス.etc)について説明する。 *全二重・半二重の設定 [#w570dec3] -TPケーブルを用いたイーサネットには、 --通信速度の違いのほかに、 --半二重・全二重という通信モードの区別もある。 -現在のイーサネットは、 --TPケーブルなどの全二重通信が可能な媒体と、~ スイッチのMACアドレス フィルタ機能により全二重通信が可能になっている。 --しかし、接続されているハブが所謂「リピータ ハブ」の場合は、半二重通信しか利用できない。 -このような通信速度、半二重・全二重混在のイーサネットでは、 --接続されたホストやハブの通信モードが異なっていると、データを正しく送受信することができない。 --このため、ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。 **信号の役割 [#qb76094c] ネットワーク機器では下記の信号を使用して、通信速度、半二重・全二重を識別する。 |項番|機器|信号|役割|h |1|10BASE-T機器|NLP信号|通信速度・半二重であることを認識する。| |2|100BASE-TX機器|アイドル信号|通信速度を認識する。| |3|~|FLPバースト信号|全二重か半二重かを認識する。| ***FLPバースト信号 [#k1958c27] -「オート ネゴシエーション」機能で使用され、半二重・全二重を識別する。 -「自動識別モード」の機器同士であれば「FLPバースト信号」により半二重・全二重を識別する。 -しかし、「全二重固定モード」の機器は「FLPバースト信号」に応答しないため、半二重・全二重を識別できない。 -「自動識別モード」の仕様上、半二重・全二重か解からないときは半二重を選択する。 -このため、「自動識別モード」、「全二重固定モード」が混在する場合、~ 半二重・全二重を識別できず(通信モードのアンマッチが起こり)、~ 通信速度が遅い、通信に失敗するなどのトラブルが起きる。 **NICの通信モードの設定手順 [#wc1a0186] +[スタート] → [設定] → [コントロール パネル] → [ネットワーク接続] → [ローカル エリア接続]を選択し、右クリックして表示される[プロパティ]を選択する。 +表示される [ローカル エリア接続のプロパティ]ダイアログの[全般]タブのNICの[構成]ボタンを押すと、[NICのプロパティ] ダイアログが表示される。 +ここの[詳細設定]タブで、通信速度、半二重・全二重、自動識別のオプションを設定する。~ この表示のされかた(プロパティ名、値)は、NICのドライバにより異なる。 **参考 [#bfce8b39] -ITエンジニアの「やってはいけない」~ [実装編]通信モードの「自動識別」と「全二重固定」を混在させてはいけない:ITpro~ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070820/279835/ *MACアドレスの設定 [#i05ab0b3] **通常、NICのROMに設定されているものをそのまま使用 [#u1a184e0] -通常MACアドレスはNICのROMに設定されているものをそのまま使用する。~ NICのROMに書き込まれているMACアドレスは「[[ipconfig /all>ipconfigコマンド]]」コマンドを使用して確認できる。 **NIC、NICのドライバによっては変更可能。 [#e7e7a790] -しかし、NIC、NICのドライバによっては、[[上記の[NICのプロパティ]>#wc1a0186]] ダイアログからMACアドレスを変更できるものもある。 -[[NLB]]を使用する場合は、MACアドレスを変更できるNICを実装している必要がある。 *IPアドレスの追加 [#m814132f] 1台のPCの、1枚のNICには、複数のIPアドレスを設定できる。 **追加方法 [#m41a71ce] -複数のIPアドレスを設定するには、[[「IPアドレスの静的割り当て」>ネットワークの基礎編#l45561d6]]で説明した、~ [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログにて設定する。 -NICに複数のIPアドレスを設定する手順を以下に示す。 > +複数のIPアドレスを設定する場合、DHCPは有効にできないため、~ [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ]ダイアログで、IPアドレスを静的に割り当てる。 +[詳細設定]ボタンを押して開かれた[TCP/IP詳細設定]ダイアログの[IP設定]タブの、~ [IPアドレス]グループの[追加]ボタンを押すとIPアドレスの入力ダイアログが表示される。 +このIPアドレスの入力ダイアログで、複数のIPアドレスを設定する。 **複数のIPアドレスの用例 [#h79c15f8] ***ファイルプリンタ共有サービス [#jf59afd0] 以下の図は、1台のPCの、1枚のNICに、複数のIPアドレスを設定し、~ 複数のIPアドレスを使用してPCの「ファイルプリンタ共有サービス」にアクセスした所である。 #ref(2IP_NIC.png,left,nowrap,ファイルプリンタ共有サービスのNICに複数のIPアドレスを設定) 1台のPCの、1枚のNICに2つのIPアドレスを設定し、 2つのIPアドレスを使用してアクセスできることを確認できる。 ***[[MSCS/WSFC]]クラスタ [#jeddc46d] [[MSCS/WSFC]]クラスタの -各ノードの物理 IP アドレスと -仮想サーバの仮想 IPアドレスも、 このように、1台のPCの、1枚のNICに、~ 複数のIPアドレスを設定する方式で実装されている。 **仮想化技術とNIC [#z63b8820] ***仮想PC・仮想サーバのNIC [#pdec9002] -仮想化技術(仮想PC・仮想サーバ)でも、1枚のNICをホストOS、仮想PC・仮想サーバで共有する。~ この場合も、1枚のNICに1つのIPアドレスが付与されるが、仕組みは[[前述の方式>#h79c15f8]]と大きく異なる。 -仮想化技術では、 --「NDIS中間ドライバ」により、ホストOSのプロトコル ドライバと仮想的なNICに対してプログラム インターフェイスを提供する。 --これにより、1台のPCの、1枚のNICを仮想的に、2枚のNICに分割している。~ ホストOS、仮想PC・仮想サーバへのイーサネット フレームは、「NDIS中間ドライバ」上でMACアドレス フィルタリングがかけられ、送信先のOSにのみ届けられる。 #ref(VNIC.png,left,nowrap,仮想PC・仮想サーバのNIC) ***プロミスキャス モード [#bfeabb64] -この仕組みは、プロミスキャス モードで動作するパケット キャプチャ ツールなどでも利用されており、~ 「NDIS中間ドライバ」を使用して、MACアドレス フィルタリングする位置を変更し、~ パケット キャプチャ ツールのみ、当該ノード向けで無いイーサネット フレームを受信できるようになる。 -プロミスキャス モードとは、~ NICなどにおいて、自ノード宛てだけではなく、ネットワーク上を流れているすべてのパケットを取り込むという動作モードのこと。~ パケットをキャプチャして解析するパケット キャプチャ ツールなどにおいて利用される。 *[[NICチーミング]] [#u998a075] ---- Tags: [[:通信技術]], [[:Windows]]