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* 目次 [#f6d47b50]
#contents

* 概要 [#s48483eb]
リモートコンピューターでPowerShellのコマンドを実行する方法についてまとめる。

-invoke-command マシン名やSessionを指定 -scriptblock { ・・・コード・・・ }
-invoke-command マシン名やSessionを指定 -filepath ファイルパス

# Sessionを指定すれば処理中のジョブ等に再接続することも可能。

*Workgroup編 [#q2f99e22]
Invoke-Command を使って、リモートでコマンド実行ができます。
-ただし、事前に構成を変更しておく必要があります。
-また、実行する要件によっては追加の構成が必要です。

**リモート先でリモートコマンドを呼ばれる準備 (PowerShellを 管理者として実行) [#e6d26642]

1. PowerShellリモート処理を有効にする~
 Enable-PSRemoting
 Enable-PSRemoting は、PowerShellを使ってリモートからコマンド実行できるように、以下の様な構成変更をまとめて行います。~
-- WinRM サービスを起動します。
-- WinRM サービスのスタートアップの種類を [自動] に設定します。
-- 任意の IP アドレスで要求を受け入れるためのリスナーを作成します。
-- WS-Management 通信のファイアウォール例外を有効にします。
-- "Microsoft.PowerShell" セッション構成がまだ登録されていない場合は登録します。
-- "Microsoft.PowerShell32" セッション構成が 64 ビット コンピューターでまだ登録されていない場合は登録します。
-- 登録済みのすべてのセッション構成のセキュリティ記述子から "Deny Everyone" 設定を削除します。
-- WinRM サービスを再起動して、変更を有効にします。

>%%解放しすぎる場合は(任意のIPアドレスで..など)、範囲を調整する必要があるか、検討ください。%%~
リモートから実行の可否を制御するには、ユーザーと権限(後述)、または、~
ファイルウォール例外("Windows リモート管理 (HTTP 受信)")のスコープ設定で行います。

2. PowerShellリモート処理可能なユーザーと権限の設定~
 Set-PSSessionConfiguration Microsoft.Powershell -ShowSecurityDescriptorUI
 実行すると権限を設定する画面が表示されるので、リモートから指定するユーザーと権限を追加。~
 (Administratorsメンバー以外のユーザーを使用する場合に必要)~

**リモートを呼び出す側の準備 (PowerShellを 管理者として実行) [#e15a4adf]

1. WinRM サービスを開始~
 Start-Service WinRM
 WinRMサービスを開始していなければ実行します。~

2. UACのリモート設定~
 Set-ItemProperty -Path HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System 
     -Name LocalAccountTokenFilterPolicy -Value 1 -Type DWord
     (上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
 管理者特権を維持するように設定変更します。~
 これをしないと、下の wsman:localhost\client\trustedhosts の設定が出来ません。~

3. 対象のコンピュータを 信頼されたホストの一覧に追加~
 set-item wsman:localhost\client\trustedhosts -value リモートコンピュータ名
 リモートコンピュータ名 が複数ある場合は、"リモートコンピュータ名,リモートコンピュータ名" の様に 文字列にして , で繋ぎます。~
 依存の設定値に追加する場合は、get-item で値を確認し、 , で連結して設定します。~

※ LocalAccountTokenFilterPolicy と wsman:localhost\client\trustedhosts の関係について。

>wsman:localhost\client\trustedhosts を設定するためには、以下の条件があります。
-管理者実行のコマンドプロンプト(PowerShell) で行う場合は、LocalAccountTokenFilterPolicy を 1 にする~
-ビルトイン Administrator で行う場合は、 LocalAccountTokenFilterPolicy の変更は不要
-wsman:localhost\client\trustedhosts を設定した後は、LocalAccountTokenFilterPolicy を 0 に戻しても構いません。~
(LocalAccountTokenFilterPolicy を 0 に戻してもすぐには設定不可能に戻りません。その場合はWinRMサービスを再起動します。)~

**リモートでコマンドを実行 [#m345f230]
1. Invoke-Command を実行~
 Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 -Credential (get-credential)
 -ScriptBlock { リモートコマンド リモートコマンド引数... }
 (上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
 (get-credential) によって、ユーザー名を入力する画面が開きます。~
 -Credential (get-credential) を指定しないと、Invoke-Command を実行しているユーザーで、リモートコンピュータへ接続し、コマンド実行されます。~
 ユーザー名を入力したくない場合は、 get-credential を先に行って、変数に入れておくか、-Credential を指定しないようにします。~

**注意事項ほか [#gefb3061]

-PowerShellでリモート実行するコマンドから、ファイル共有などのネットワーリソースへアクセスする際は、匿名ユーザーが使われます。~
リモートのコマンド実行の中からネットワークリソースへユーザー指定でアクセスする場合は、後述の [[ダブルホップ編>#ga559ccc]] を参照するか、 ~
sysinternals の psexecツール を検討ください。( psexec は [[サービス・タスク系のいろいろ>サービス・タスク系のいろいろ#a18ceed3]] も参照ください。)

-Invoke-Command は リモートとの通信用に http や https も使用できます。それらの構成方法、オプションなどは、各コマンドを get-help で確認ください。
--また、リモートとの通信に proxy を使用することもできます。
--必要であれば netsh コマンドなどで winhttp の proxy を設定する、~
通信できない場合に winhttp proxy が原因になっていないか確認ください。

-Credential を指定しない場合は、PowerShellを実行しているアカウントが使われます。
--Get-Credential はパスワード入力のためにポップアップ画面を表示します。~
バックグラウンド処理など、画面表示をしたくない場合には、パスワードを事前に暗号化してファイルに保存しておくこともできます。
--パスワードをファイルに保存する方法、ファイルから取り出して Credentialオブジェクトを作成する方法は、下のページを参考ください。~
---ヒント: 資格情報を受け付ける Windows PowerShell スクリプトを作成する~
http://technet.microsoft.com/ja-jp/windows/ps_tips13.aspx

-Invoke-Command -ComputerName Server1,Server2,... の様に複数のサーバーを記述すると、それらのサーバーに対して同時実行します。~
実行結果は、PowerShellのオブジェクトとして、1つの配列に混合されて返ります。~(cmd.exeなどPowerShell でないコマンドを実行した場合は String(文字列) の配列になる。)~
オブジェクトにはPSComputerNameプロパティが付加されるので、サーバー別にソートしたり区別したいときはPSComputerNameで判断できます。~
同時ではなく、順に実行したい場合は、-ComputerNameに1つつず指定します。

-Invoke-Command については、下の ページも参照ください。
--Windows PowerShell: リモート処理について~
http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/gg981683.aspx

*Workgroup + [[ダブルホップ>ベース クライアント セキュリティ モデル]]編 [#ga559ccc]

上の Workgroup編では、リモートコマンドの中から、他サーバーのリソースにアクセスすると、匿名ユーザーが使用されますが、~
下の手順の様に、[[ダブルホップ>ベース クライアント セキュリティ モデル]]を使用することで、~
 -credential で指定するものと同じアカウントで 他サーバーのリソースにアクセスすることができます。~

**準備 (上の Workgroup編と共通) [#sbcecd9f]

- リモート先でリモートコマンドを呼ばれる準備 (PowerShellを 管理者として実行)~
  1. Enable-PSRemoting
 
  2. Set-PSSessionConfiguration Microsoft.Powershell -ShowSecurityDescriptorUI
~
- リモートを呼び出す側の準備 (PowerShellを 管理者として実行)~
  1. Start-Service WinRM
 
  2. Set-ItemProperty -Path HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System 
     -Name LocalAccountTokenFilterPolicy -Value 1 -Type DWord
     (上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。)
 
  3. set-item wsman:localhost\client\trustedhosts -value リモートコンピュータ名


**[[ダブルホップ>ベース クライアント セキュリティ モデル]]のための 追加の準備 [#f3d0f0af]

- リモート先で資格情報を受け取る準備 (PowerShellを 管理者として実行)~
  1. Enable-WSManCredSSP -Role Server
~
- リモートを呼び出す側で、資格情報を送信する準備 (PowerShellを 管理者として実行)~
  2. Enable-WSManCredSSP -Role Client -DelegateComputer リモートコンピュータ名
~
- リモートを呼び出す側で、資格情報を NTLM 認証で行う様にグループポリシーを設定~
  3. gpedit.msc コマンド
    コンピューターの構成 >> 管理用テンプレート >> システム >> 資格情報の委任
       NTLMのみのサーバー認証で新しい資格情報の委任を許可する
         (x) 有効
         サーバーを一覧に追加: [表示]
           wsman/リモートコンピュータ名

**[[ダブルホップ>ベース クライアント セキュリティ モデル]]を使用した、リモートコマンドの実行 [#se005ab2]

- リモートでコマンドを実行
 4. Invoke-Command に -Authentication CredSSP を付けてを実行
 
 Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 -Credential (get-credential) 
 -ScriptBlock { cmd.exe /c "dir \\リソースサーバー\ファイル共有" } -Authentication CredSSP
 (上は、行を折り返しています、1行のコマンドです。 -ScriptBlock { ... } の中は例です。)

**注意事項ほか [#d5ac8fb9]
- -credential で指定する ユーザー について
>-credential で指定する ユーザーおよびパスワード は、リモートコンピュータ名 と リソースサーバー の両方に共通なものを作成しておきます。~
上の例で \\リソースサーバー\ファイル共有 の共有フォルダは、指定する ユーザー で参照権限を設定しておきます。~
リモートコンピュータ上のユーザーは、Administrators でなくてもかまいません。リモートコマンドの内容に応じて 権限を付加してください。~

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Tags: [[:シェル]], [[:インフラストラクチャ]], [[:Windows]]


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