「[[マイクロソフト系技術情報 Wiki>http://techinfoofmicrosofttech.osscons.jp/]]」は、「[[Open棟梁Project>https://github.com/OpenTouryoProject/]]」,「[[OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会>https://www.osscons.jp/dotNetDevelopmentInfrastructure/]]」によって運営されています。 -戻る --[[ネットワークの冗長化]] --[[ネットワークの基礎編>ネットワークの基礎編#e633f50b]] * 目次 [#rfddcba2] #contents *概要 [#n315d8d1] 「ルーティング テーブル」を作成と、「ルーティング プロトコル」の選択について説明する。 *ルーティング テーブルの作成方法 [#u9646b75] **種類 [#n4041199] -「ルーティング テーブル」を作成するには、~ 現在のネットワークの情報をルータが入手する必要がある。 -ルータがネットワークの情報を入手する方法には、次の3種類の方法がある。 |#|方法|種類|h |1|ルータ自身が接しているネットワーク|直接接続| |2|管理者による手入力|「スタティック ルーティング」| |3|ルータ間での情報のやりとりによる入手|「ダイナミック ルーティング」| **特徴 [#dbecc84a] それぞれの特徴は、以下のようになる。 |#|比較項目|直接接続|スタティック ルーティング|ダイナミック ルーティング|h |1|ルータの処理量|小さい|小さい|情報をやりとりし、計算するのでルータに負荷がかかる。| |2|管理者の作業量|初期設定のみで、自動で設定される。|手入力のため、初期設定や変更時に作業量が多い。|初期設定のみで、自動で設定される。| |3|帯域の使用|なし|なし|ルーティング情報をやりとりするため、帯域を使用する。| このような特徴を持つため、 -「ルータの数が少なく、ネットワークの変更などがあまり起こらない小規模ネットワーク」の場合は「スタティック ルーティング」を、 -「ルータの数が多く、変更などが起こりやすい中 ~ 大規模ネットワーク」の場合は「ダイナミック ルーティング」を 使用するのが一般的である。 *ダイナミック ルーティング [#x2fb8d7b] -「ダイナミック ルーティング」には、~ ルータ間で情報をやりとりするためのプロトコルが必要である。 -このプロトコルを「ルーティング プロトコル」と呼ぶ。 **ルーティング プロトコルが決定する項目 [#pca1ed87] 「ルーティング プロトコル」では、情報をやりとりすることで、以下の項目を決定する。 -情報をやり取りするルータ -交換する情報の内容 -交換するタイミング -受け取った情報の処理手順 -ベストパスの選択基準 **項目の決定に必要な情報 [#s9939190] -「ルーティング プロトコル」が、上記の項目の値を決定する上で必要となる情報に「メトリック」と「コンバージェンス」がある。 -「メトリック」と「コンバージェンス」は「ルーティング プロトコル」毎に異なる。 ***メトリック [#id45144f] 「ベストパス」を決定する場合に使用する値が「メトリック」である。 -例えば、RIPの場合は、「ホップ数」(中継するルータ数)をメトリックとして使用し、「ホップ数」の値が小さくなるルートを「ベストパス」として決定する。 -また、OSPFの場合は、帯域幅を基本としたコストをメトリックとして使用し、コストが小さくなるルートを「ベストパス」として決定する。 ***コンバージェンス [#s2bf6134] -「すべてのルータが、ルーティング テーブルを最新状態に更新し終えた状態」を「コンバージェンス」と言う。 -「ルーティング プロトコル」毎、「コンバージェンス」になるまでの時間が重要なポイントになる。 *ルーティング プロトコルの種類 [#qd6790d9] **IGPとEGPs [#gcf36954] 「ルーティング プロトコル」は、IGPとEGPsとに大別される。 -IGPは、同一のAS内で使用される「ルーティング プロトコル」の総称。 -EGPsは、異なるAS間で使用される「ルーティング プロトコル」の総称。 具体的なプロトコルとしては、 -IGP:RIP, OSPF -EGPs:EGP, BGP がよく知られている。 **IGPのプロトコルの特徴 [#o34acd9d] IGPのプロトコルは、同一のAS内で使用される「ルーティング プロトコル」であり、動作の違いにより、以下の3種類に分割できる。 -「ディスタンスベクタ型」 -「リンクステート型」 -「ハイブリット型」 ***ディスタンスベクタ型 [#mb48a7a5] -隣接するルータ同士で「ルーティング テーブル」の情報を交換し、~ あて先ネットワークへの距離(Distance)と方向(Vector)によりベストパスを決定する方式。 -比較的古いタイプのルーティングプロトコル。~ 仕組み上、ループを起こす可能性があるのでこのループを抑止するための機能を持っている。 -単純な方式で、大規模ネットワークでは、 --障害時やトポロジの変化時などで再構成されるまでのコンバージェンス時間がかかること、 --全ルータの経路情報を交換するためのトラフィックが大きい >などの問題がある。 -該当するプロトコルにRIPやIGRPなどがある。 ***リンクステート型 [#p4c6c0ab] -隣接するルータ同士で「[[リンクステート データベース>#vd1fd950]]」の情報を交換し、~ そこからあて先ネットワークへのベストパスを決定する方式。 -ディスタンスベクタ型と比べると仕組みはやや複雑であるが、~ トラフィックが抑えられ、また、コンバージェンス時間も短い。 -該当するプロトコルにOSPFやIS-ISなどがある。 **EGPsのプロトコルの特徴 [#u46b930f] EGPsのプロトコルは、異なるAS間で使用される「ルーティング プロトコル」であり、~ インターネット上の各ASの境界にあるルータ同士、経路情報を交換する。 ***EGP [#b160a160] インターネットの規模が小さかった時代に作られたEGPは、~ -信頼性が低かったり -複雑なマルチパス環境に対応していなかったり などの問題点があり、現在ではほとんど使われていない。 ***BGP [#z124d087] -代わって主流となっているのが、EGP(EGP-2)を改良したBGP。 -最新のバージョンのBGP-4では、EGP-2の問題点の多くが解消されている。 --EGP-2と違ってTCPを利用することで信頼性を上げ --経路状態に変化があった時にのみ更新情報を送る。 -ポリシー経路制御によって、~ 経路設定にある程度の意図を持たせることも可能になっている。 -またBGPは、「[[CIDR>ネットワークの基礎編#e6290494]]」をサポートしており、 --受け取った経路やローカル経路を集約し、複数の経路をまとめて1つの経路としてアナウンスできる。 --これにより、ルーティング情報の集約による「ルーティング性能向上」、「ルーティング情報の管理の簡素化」を図ることができる。 -また、BGPにはIBGPとEBGPがあり、 --AS内で使用するBGPをIBGPと呼び(BGP経路の伝播)、 --AS間で使用するBGPをEBGPと呼ぶ。 --BGPでは、ASを識別するために、AS番号を使用する。 #ref(BGP.png,left,nowrap,BGP) *参考 [#cad0bd92] **リンクステート データベース [#vd1fd950] 各ルータの持つインターフェイスのリンク(Link)の状態(State)状態を保持するデータベース。 ---- Tags: [[:インフラストラクチャ]], [[:通信技術]], [[:信頼性]], [[:Windows]] Tags: [[:IT国際標準]], [[:インフラストラクチャ]], [[:通信技術]], [[:信頼性]]