マイクロソフト系技術情報 Wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。

目次

概要

PowerShell の勘所、

などのトピック情報を纏めています。

特徴

オブジェクトベースのシェル

以前から、オブジェクトベースのプログラム、スクリプト(perl、WSH)などは存在したが、
PowerShellが唯一のオブジェクト・ベースのシェル(perlに似ている)である。
#OSレイヤから少々遠いためシェルというよりシェルスクリプトという意見もある。

Cmd.exeを置き換えるものではない

別物として使用する必要がある。

コンポーネントのダウンロード

PowerShell の各バージョンは、以下のOSに添付されているか、別途ダウンロードできます。
新しいOSほど、新しいPowerShellに対応します。 また、旧OSでは、新しいPowerShellのサポートがありません。 PowerShellのバージョンに依存しそうな場合は、対象とするOSが何か確認ください。

--Windows PC--PowerShell 1.0PowerShell 2.0PowerShell 3.0PowerShell 4.0
Windows XP SP2PS1n/an/a
Windows XP SP3PS1PS2n/an/a
Windows Vista SP1PS1PS2n/an/a
Windows Vista SP2PS1PS2n/an/a
Windows 7OS添付n/an/a
Windows 7 SP1OS添付PS3PS4
Windows 8OS添付(*1)OS添付PS4
Windows 8.1OS添付(*1)OS添付

(*1) Windows 8/8.1 の PowerShell 2.0 スクリプトは、PowerShell 4.0 の下位互換で実行できます。
PowerShell を -version 2.0 指定で実行する場合は .NET Framework 3.5 をインストールすると有効になります。

--Windows Server--PowerShell 1.0PowerShell 2.0PowerShell 3.0PowerShell 4.0
Windows Server 2003R2PS1n/an/a
Windows Server 2003 SP2PS1PS2n/an/a
Windows Server 2008 SP1OS添付PS2PS3n/a
Windows Server 2008 SP2OS添付PS2PS3n/a
Windows Server 2008R2 SP1OS添付PS3PS4
Windows Server 2012OS添付(*1)OS添付PS4
Windows Server 2012 R2OS添付(*1)OS添付

(*1) Windows Server 2012/2012R2 の PowerShell 2.0 スクリプトは、PowerShell 4.0 の下位互換で実行できます。
PowerShell を -version 2.0 指定で実行する場合は .NET Framework 3.5 をインストールすると有効になります。

PS1

PS2

PS3

http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=34595 (現在、英語版)

PS4 Preview

http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=39347 (現在、英語版)

基本

実行方法

PowerShell を手で(シェルとして)逐次実行できます。

変数

定義

変数は $ で始まる 英数字記号 の名前を使用します。
後述の様に スコープ($global:, $script:) をつけることも出来ます。

下の様に ${ } で囲むと、名前にスペースを含むこともできますが、混乱やスペルミスの元になりやすいので避けましょう。

 PS E:\temp> ${var test 1} = 123
 PS E:\temp> $a = ${var test 1} + "123"
 PS E:\temp> $a
 246
 PS E:\temp>

未初期化の初期状態は $null と同じです。
文脈によっては 0 や "" (空文字列) と解釈されます。

 PS E:\temp> $var001
 PS E:\temp> $var001 -eq 0
 False
 PS E:\temp> $var001 -eq $null
 True
 PS E:\temp> $a1 = $var001 + 2
 PS E:\temp> $a1
 2
 PS E:\temp> $a1 = $var001 + "abc"
 PS E:\temp> $a1
 abc
 PS E:\temp>

上の例では、変数 $var001 は未初期化なので、 $null と同じです。
変数をそのまま出力すると、$null は 何も表示されません。
また、 -eq 比較演算子を使って、 0 や $null と比較すると、$null であることが判断できます。

未初期化変数は、数値を足し算した場合は、0 が、文字列を連結した場合は、"" が、それぞれ仮定されます。

Set-StrictMode? を使用すると、未初期化変数を参照する際にエラーとして検出できます。

 PS E:\temp> Set-StrictMode -Version 1.0
 PS E:\temp> $a1 = $var001 + 2
 変数 '$var001' は、設定されていないために取得できません。
 発生場所 行:1 文字:14
 + $a1 = $var001 <<<<  + 2
     + CategoryInfo          : InvalidOperation: (var001:Token) []、RuntimeExcep
     tion
     + FullyQualifiedErrorId : VariableIsUndefined
 
 PS E:\temp>

スコープ

PowerShellの変数は、変数を使用する場所がスコープの範囲になります。

などがスコープの境界になります。

参考

if文

if文は、下の様に -で始まる比較演算子を使います。

 $var1 = sub2 $arg1 $arg2
 if ( ( $var1 -eq 1 ) -or ( $var1 -gt 10 ) ) {
    ...
 }

条件のANDやORは、 それぞれを ( ... )で囲んで -and や -or で結びます。

論理のANDやORによるビット演算は、 -band や -bor の -b で始まる演算子を使います。

 $file = get-item $dirname
 if ( $file.Attributes -band [System.IO.FileAttributes]::Directory ) {
    ...
 }

bit演算結果が0以外の場合は、真 とみなされます。

if文の演算子の詳細は、powershellコマンドプロンプトの中で 「get-help about_Comparison_Operators」を参照してください。

配列

配列は、以下の形式で定義できます。

$array1 = @()
$array2 = @(1,2,3)
$array3 = 1,2,3

( ) で囲まなくても、「,」で並べると、配列になります。
コマンドや関数への引数を「,」で区切った場合も配列になるので、書き間違いに注意。

 $ret1 = sub1 2,3,4    # これは @(2,3,4) の配列で引数1つ
 $ret2 = sub1 2 3 4    # これは 引数3つ
 $ret3 = sub1 2,3 4    # これは @(2,3)の配列1つと 数値4 の 引数2つ

また、配列の添え字は、$変数名[添え字] で参照します。
添え字に 負数 を指定すると、配列の末尾からの添え字を指定できます。

 $var1 = $array2[1]   # 上の $array2 から 2 を取り出す
 $var2 = $array2[-1]  # 上の $array2 から 3 を取り出す

配列について詳しくは、 PowerShellコマンドプロンプトで「get-help about_array」 を参照ください。

パイプライン

PowerShellの一番強力な機能が、パイプラインです。

Unix/Linuxのshellコマンドや、Windowsのコマンドプロンプトでも、「|」を使って、コマンドを複数並べてパイプラインが記述できます。
ですが、それらは、標準出力のテキストを次のコマンドの標準入力へ渡す、にすぎません。

PowerShellでは、PowerShellのオブジェクトをパイプで渡すことができます。
そして、ほとんどのPowerShellコマンドがオブジェクトを出力します。
また、オブジェクトには、多くのプロパティを含んでいます。
後処理のために、オブジェクトにプロパティを追加することもできます。
このため、プロパティを判定してフィルタしたり、プロパティを使ってソートできます。
最後に Format-List や Format-Table などのコマンドを使って、一部のプロパティを整形して表示します。

.ps1スクリプト内で定義する関数(function)や、自作のCmdletでも、オブジェクトを返すようにしておくと、再利用しやすくなります。

パイプラインの例は、後述の オブジェクトへメンバー追加 の例を参照ください。

パイプラインの詳細は、PowerShellコマンドプロンプトで「get-help about_pipeline」を参照ください。

勘所1

オブジェクトへメンバー追加

PowerShellでは、Add-Member を使って、オブジェクトに動的にメンバーを追加できます。
OSや他のライブラリが返したオブジェクトに、情報を追加しながら、パイプラインを使って、順次処理する。といったことができます。

スクリプト:

function dirinfo {
  param(
   [Parameter(Mandatory = $true, ValueFromPipeline = $true)]
   [object]$dir,

   [boolean]$totalup = $false 
  )

  # 空っぽの配列
  $dirs = @()

  # $dir へ プロパティ追加
  $dir | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name TotalFiles -Value 0
  $dir | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name TotalSize -Value 0

  foreach ($f in (get-childitem $dir.FullName)) {
    if ( $f.Attributes -band [System.IO.FileAttributes]::Directory ) {
      # サブフォルダの情報
      $ret = dirinfo $f $totalup
      if ( $totalup ) {
        # 末尾の情報を $dir へ加算
        $dir.TotalFiles += $ret[-1].TotalFiles
        $dir.TotalSize += $ret[-1].TotalSize
      }
      $dirs += $ret   # サブフォルダ全体を覚える
    } else {
      $dir.TotalFiles += 1
      $dir.TotalSize += $f.Length
      $dirs += $f
    }
  }
  $dirs += $dir   # $dir自身を末尾に覚える

  # 覚えたものをまとめて返す
  write-output $dirs
}

実行例:

  dirinfo (get-item "c:\program files") | sort-object totalsize -Descending | 
      where { $_.TotalSize -gt 1 } | select-object -first 5 | 
      format-list -Property TotalFiles, TotalSize, Fullname
  (行は折り返して表示しています。実行する際は、1行に入力してください。)

実行例のパイプラインでは、以下のことをしています

  1. get-item で C:\Program Files フォルダのオブジェクトを取得して、
  2. dirinfo でサブフォルダのサイズを集計、
  3. sort-obejct で TotalSize? の大きい順に並び替えて、
  4. where で TotalSize? が 1以上のオブジェクトだけ抽出して、
  5. select-object で 最初の 5 個だけ取り出し、
  6. format-list で 特定のプロパティのみ表示。

Add-Member の解説については、下も参照ください。

サブフォルダのファイルサイズを集計する例については、下も参照ください。

エラー処理

.ps1ファイルの中でエラーが発生すると、既定では、赤文字でエラー表示されて、そのまま次の行が実行されます。
エラーを処理するには、下のいずれか必要です。

-ErrorAction? (省略形は -EA) オプション

 Trap {
   エラー処理
 }
 コマンド ....  -ErrorAction "stop"

try/catch で囲む

 $ErrorActionPreference = "stop"
 try {
   コマンド ....
 } catch [Exception] {
   エラー処理
 }

try/catch の例は、上の ps_test.ps1 を参照ください。

その他

その他の例、説明は、以下のサイトも参照ください。

PSSnapIn? と module

PowerShell は、 PSSnapin と Module で拡張されます。
Windows の役割を追加すると、役割を管理する Cmdlet が一緒にインストールされます。
また、何らかの製品をインストールした際に、PowerShell Cmdlet が追加でインストールされることもあります。

PowerShellコマンドプロンプトを開いた状態では、それらの追加された Cmdlet はまだ使用できません。
PowerShellコマンドプロンプトの中で、「Add-PSSnapin」あるいは「Import-Module」を使って、読み込みます。

読み込みの際に指定する PSSnapin名、 Module名 は、役割、製品の管理者用ドキュメントを参照してください。

インストールされている module は、 「get-module -listavailable」で確認することができます。

デバッグ

debugは、 debug用print文、 デバッグ用環境、を使ってデバッグできます。

debug用print文

debug用print文は、 スクリプトの中に write-host コマンドを埋め込む方法です。
write-host を使用すると、 引数に指定した値が PowerShellコマンドプロンプトへ出力されます。
(write-output は、 関数の出力になるので、debug用には使わないでください。)

デバッグ用環境

デバッグ用環境 は、 PowerShell ISE (Integrated Scripting Environment) 環境が使用できます。
PowerShell ISE を使用すると、ブレークポイントの設定、ステップ実行が、メニュー操作で行えます。

debug用のコマンド

通常の PowerShellコマンドプロンプトのままでも、
Set-PsBreakpoint? 等の debug用のコマンドを使用して、1行ずつステップ実行することも出来ます。

情報の探し方

Get-Command

コマンドを探すには、下の様に、コマンド名の一部を*で省略して Get-Command を実行します。

Get-Command *event

Get-Member

オブジェクトのメンバーやプロパティを確認するには、下の様にコマンドの出力を パイプ で Get-Member に渡します

Get-ChildItem | Get-Member

get-help コマンド名

コマンドの説明や引数の構文を確認するには、get-help を使います。

get-help get-childitem

Windows Server 2012 では、 ヘルプの文章が online から取得する様になっていることがあります。
必要に応じて 「get-help コマンド -online」のようにするか、
表示されたURLをブラウザで表示して構文を確認ください。

その他

PowerShellのPS1ファイルの作成と実行

PowerShell Cmdletの作り方

PowerShell プロバイダとドライブ

PowerShellをリモートコンピューターで実行

勘所2

WinSvr2012以降の管理

WinSvr2012以降は管理コンソールの裏はPowerShellコマンドレットになる。

テキストベース→オブジェクトベース

皆、テキストベース→オブジェクトベースのShellの違いに混乱する。

非同期ジョブ、リモート、ワークフロー

非同期ジョブ、リモート、ワークフローなど。

非同期ジョブ

リモート接続

ワークロフロー

その他

探し方いろいろ

参考

MSDN magazine

junichia

#この資料では、PowerShell 3.0 の beta/RC 版をベースにしてるため、 PowerShell 2.0 にはないコマンドも紹介されています。
#ただ、WMIオブジェクトの使い方、リモートや権限などのtipsは、PowerShell 2.0 でも参考になります。

VBScriptから変換

PowerShell バージョン と 動作環境

その他

PowerShell ISE

Azure PowerShell

Azure Cloud Shell

PowerShell Core


Tags: :シェル, :インフラストラクチャ, :Windows


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